初の女性首相誕生なるか、自民党総裁選に高市・上川両氏が立候補
(ブルームバーグ): 過去最多の9人が立候補した自民党総裁選で、高市早苗経済安全保障担当相と上川陽子外相の2人が日本初の女性首相の座に挑戦している。
2021年に続く出馬となる高市氏は9日の記者会見で、前回支持を受けた故安倍晋三元首相の「応援するよ。女性初の総理大臣、いいじゃないか」の言葉を胸にとどめながら、「全力投球していくのみだ」と語った。上川氏は11日の出馬会見冒頭で「今回スタートラインに立てたことそれ自体が、新しい自民党の姿をお示しする大きな一歩だ」と希望を語った。
高市氏は報道各社の調査で、石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境相と上位を争っており、有力候補の1人とされている。高市氏が勝利すれば女性の首相も財務相も中央銀行総裁もいなかった日本社会にとって時代を画する出来事となる。
S&Pグローバルマーケットインテリジェンスの田口はるみ主席エコノミストは、女性の候補者が選ばれれば、「ガラスの天井が一つなくなるという意味で、男女平等がひとつ高まるという象徴的な出来事になる」と指摘する。
国会議員票と党員・党友票を争う同党の総裁選で読売新聞が先週末に行った党員・党友への調査では、石破氏が26%、高市氏が25%、小泉氏が16%、上川氏は6%だった。ただ、朝日新聞が18日報じた国会議員の支持動向調査では、小泉氏が46人とトップで、高市氏は石破氏と共に30人で5位、上川氏は22人で8位にとどまっている。
女性の政治参加で後れ
仮に高市氏が当選した場合でも、女性の登用が進むかどうかは不透明だ。推薦人に名前を連ねている西田昌司参院議員は、政策や歴史認識が理由で支援しているとし、「女性初の総理大臣を目指して高市さん頑張れ、というつもりはない」と話す。
「鉄の女」と呼ばれた英国の故サッチャー元首相を憧れの人としている高市氏は、自民党内でも右派とされる議員から支持を集めている。総裁選では女性活躍推進よりも「強い経済」の実現や防衛力の強化などに力点を置いて訴えている。