初の女性首相誕生なるか、自民党総裁選に高市・上川両氏が立候補
列国議会同盟(IPU)によると7月時点で、衆院に占める女性の比率は10.8%だった。世界162位で29.2%の米国や35.3%のドイツなど主要7カ国(G 7)や20%の韓国などにも後れを取っている。世界経済フォーラム(WEF)の世界男女格差報告書でも、日本は146カ国中118位で政治と経済分野でのスコアが特に低かった。
自民党の党改革実行本部が昨年まとめた計画では、10年間で国政における女性議員の割合を30%に引き上げる目標を掲げた。衆院比例代表候補の上位を女性にすることや女性候補者支援金制度の創設、ベビーシッターや一時保育の利用料等の費用負担などを具体的な施策として挙げている。
高市氏は16日に金沢市で開催された公開討論会で、比例代表で自民党は女性を増やす努力をしなければならないとし、「出産など女性にしかできないことへの対応を進めたい」と述べた。上川氏は同討論会で、「女性の活躍なくして日本の将来はない、という動きを作ることがリーダーの役割だ」と話した。
女性の政治参加になお高いハードルも-猪口参院議員
1955年に結党した自民党の総裁選に女性が初めて立候補したのは2008年の小池百合子・現東京都知事で5人中3位だった。21年は高市氏と野田聖子元総務相の2人が挑戦したが、4人の候補のうち高市氏は3位、野田氏は4位で、上位2人による決選投票には進めなかった。
08年の総裁選で小池氏の推薦人だった猪口邦子元少子化対策担当相は女性の政治進出の流れは感じるものの、「変わり方の速度が十分に速いかという問題は残る」と指摘。16年前の小池氏の時に比べて女性議員が立候補するハードルの高さは「残念ながら変わっていない」という。
上川外相は立候補に必要な国会議員の推薦人20人の確保に時間がかかったため、正式表明は告示日前日の11日となった。
村上財団の村上フレンツェル玲代表理事は、「パブリックリーダー塾」を22年に立ち上げた。女性の政治家育成を目指して取り組んでいるが、選挙活動や政務と子育てのバランスを取ることは非常に難しく、パートナーの支援を得られるかどうかが女性が政治家を目指すうえで重要であると指摘する。