二宮和也さんはドレッシー、高橋大輔さんはスポーティー 2人が選んだ時計と時にまつわるエピソード
SUITS OF THE YEAR 2024 受賞者インタビュー(6)
「SUITS OF THE YEAR 2024」では、「五感を刺激する」をテーマに各界で活躍する5人を表彰した。ビジネスやスポーツ、アート&カルチャーの分野で挑戦を続ける者たちはどんな「時」を生きているのか? 受賞者に時間や時計についての思いを聞いた。 ゲーム好き二宮さんの愛用タッチペン、高橋さんのジャンプを支えるスケート靴など写真15枚一挙公開
■タイムトラベルに備えて旧札を財布に 映画監督 山崎貴さん
子供の頃からタイムトラベルもののSF小説や映画が好きだったという山崎貴さん。「ボク自身、何かに巻き込まれていつかタイムトラベルで過去に行けたりしないかと期待しているところがあるんですよ。遠い昔ではなく、昭和30年代や40年代ぐらいに行きたい」 「実は、いつそうなってもいいように、財布には聖徳太子の1万円札や500円札、100円札などを常に入れているんです。もしタイムスリップしたら、それでとりあえず実家までたどり着いて、家族になんとか信じてもらおうかなと(笑)」 山崎さんの初監督作品と2番目の作品は、ともにタイムトラベルがテーマ。大ヒットした「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」をはじめ、昭和を舞台にした映画も多い。彼の作品自体が見るものをタイムトラベルさせているようなものといえるが、実は本人もそうした気分を味わっているのかもしれない。 そんな時間に対する独特の感性も関係しているのか、山崎さんにとって腕時計は欠かせない相棒。寝ている時もつけているそうだ。 「目が覚めた時に、パッと何時か分からないと嫌なんです。邪魔じゃないかといわれますが、そもそもボクは腕に時計の重みを感じている状況が好き。今の若い人はかばんや服からスマホを引っ張り出して時刻を確認しますけれど、あれが信じられない。腕を傾けるだけで時刻が分かった方が断然便利でしょう。うっかり自宅に時計を忘れてしまうと1日中憂鬱です」 時計のメカニズム、特に機械式時計にはとても引かれるものがあると語る。「機械式はゼンマイと歯車だけで正確な時を刻む。先人たちの英知の集合体という感じが好きなんです。クオーツになると、理解が追いつかないけれど、機械式はギリギリ自分の頭で理解できそうなところがいいんです」 今回のアワードで山崎さんの腕元を彩ったロンジンの「コンクエスト」も機械式だ。シースルーバックから鑑賞できる自動巻きムーブメントは磁気に強い構造で、デジタル機器に囲まれた状況でも安心して着用できる。 「この時計のデザインが気に入りました。一見スポーティーなのに、ドレスウオッチに通じるエレガンスもある。あと光沢があるのに、ギラッとし過ぎていないところもいいですね。今日のようなスーツからラフな格好で撮影現場に行く時まで、いろんなシーンや装いで使える1本ですね」