同じ年齢でも、老けて見えるのはなぜ?柴田理恵が抗加齢医学の第一人者に聞く、健康長寿の秘訣「老化は病気の一種で治療も予防もできる」
女優やタレントとして活躍し、ハツラツとした印象の柴田理恵さん。しかし、年齢とともに疲れを感じるようになってきたとか。抗加齢医学研究の第一人者である米井嘉一さんが、人が老化するメカニズムや、若々しい体を維持する秘訣を教えます(構成=山田真理 撮影=天日恵美子) 【写真】抗加齢医学研究の第一人者である米井嘉一さん「もともと脂肪は人間の味方。遺伝子やタンパク質が酸化するのを防ぎ、細胞が傷つくのを防いでくれます」 * * * * * * * ◆糖化したタンパク質は機能が失われる 柴田 65歳にもなると、あちこちの衰えが気になります。今日は、先生にいろいろ教えていただくのを楽しみに来ました。 米井 老化は年齢のせいだから仕方がない、と思っておられるかもしれません。しかし最初にお伝えしたいのは、老化は病気の一種であり、治療も予防もできるということです。 柴田 え! 病気!? 米井 老化には、「正常な老化」と「病的な老化」があります。前者は、自然な加齢現象。ところがそこに食べすぎや飲みすぎ、運動不足、睡眠不足などマイナスの要素が加わると、病的な老化現象が表れてしまうのです。 柴田 ドキッ、すでに思い当たるフシが。(笑) 米井 病的な老化の危険因子は大きく分けて5つあります。(1)免疫ストレス、(2)心身ストレス、(3)生活習慣、(4)酸化ストレス、(5)糖化ストレス。 なかでも影響が大きいのが、酸化と糖化です。酸化とは、紫外線や有害物質を浴びることなどにより体がサビること。そして糖化は、糖分の摂りすぎによって体内がコゲる現象です。 柴田 体の中がコゲる? 米井 砂糖と卵と小麦粉を混ぜて焼くと、きつね色のホットケーキができますよね。それと同じ原理で、糖化は体内にある余分な糖質とタンパク質が結びつき、こんがり焼けた状態。この時に生まれたAGEs(糖化最終生成物)がさまざまな老化を促進してしまいます。 柴田 なんだか怖い話ですね。酸化と糖化、どちらも気をつけるべきなんでしょうか? 米井 人間は大昔から紫外線を浴びていたため、体内には「抗酸化システム」が発達し備わっています。しかし、糖化の原因である糖質を過剰に摂取するようになったのはわずか数十年前。 さらに、交通の便がよくなって運動量が激減し、糖質をエネルギーとして消費する機会が減りました。すると体内に余分な糖質が残ってしまうため、現代人は糖化しやすい状態なのです。
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