同じ年齢でも、老けて見えるのはなぜ?柴田理恵が抗加齢医学の第一人者に聞く、健康長寿の秘訣「老化は病気の一種で治療も予防もできる」
柴田 歴史が浅くて、体が対応しきれないんですね。だから糖化をより意識して対策する必要がある、と。 米井 その通り。糖化の問題点は、タンパク質の本来の機能を奪ってしまうことです。たとえば、骨を作るタンパク質が糖化すると骨粗しょう症に、目のレンズを形成するタンパク質が糖化して濁ると白内障になりやすくなります。 ほかにも動脈硬化、糖尿病、腎臓病、認知症などの発症リスクも上がることがわかってきました。皮膚のコラーゲンもタンパク質ですから、肌の黄ばみやシミ、シワ、たるみの原因にもなるんです。 柴田 うわあ、見た目にも影響があるんだ。同じ年齢でも、若く見える人と老けて見える人がいますよね。その違いはどこから来るのでしょうか。 米井 そこに、今日一番お伝えしたいポイントがあります。私たちの体は多くの部品からできていて、どの部分からどのように老化するかは人それぞれ。遺伝も多少は影響しますが、多くは長年の生活習慣の積み重ねによります。たとえば柴田さんは、筋トレはお好きですか? 柴田 どちらかと言うと、嫌いです。 米井 そういう人に「筋トレは老化予防に役立ちますよ」と言っても、実践してもらえません。筋トレが好きな人は「やっぱり健康にいいんだ」と思って続けますが、そのぶん、ほかの面がなおざりになる場合がある。 柴田 好きでやっている健康法が「いい」と言われたら、安心しちゃいますものね。 米井 それが老化度を左右するカギです。なおざりになった部分の老化が進むと、ほかの部分の機能も連鎖的に衰えてしまいます。 一方、健康長寿モデルとされる「百寿者」の方たちの健康状態を調べると、極端に衰えた部分がない。つまり、「老化のバランスがいい」。ですから、健康を維持する秘訣は、自分の「弱点」を知って早めに改善していくことなのです。 《覚えておきたいキーワード》 【酸化】 紫外線や排気ガス、残留農薬、食品添加物、喫煙、激しい運動、ストレスなどが原因で、体内に活性酸素が過剰に発生。正常な血管や細胞を傷つける 【糖化】 体内にあるタンパク質と食事で摂取した余分な糖が結合し、蓄積すること。最終的に、老化を促進するAGEs(糖化最終生成物)を生み出す
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