都内私立中の初年度納付金、最も安い中学はどこ? 中学受験をする前に知っておきたい、「お金」事情
中学受験で学校を選ぶとき、気になるのが「学費」。都内の私立中では、高いところは低いところの3倍以上だとプロ家庭教師・安浪京子先生は指摘します。安浪先生の著書『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(ダイヤモンド社)から、都立私立中の学費事情についてご紹介します。 【図】都内で授業料・初年度納付金が「高い」学校「低い」学校はどこ?(全4枚) ■同じ私立でも学費は全く違う 私立中学への進学が決まると、合格発表後の手付金(入学金)をはじめ、毎年相当額の支出とつきあう日々のスタートとなります。 ちなみに、私立中学3年間の費用の合計相場は約430万円(文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」)ですが、200万円ほどの私立もあります。 東京都では、生活文化スポーツ局が「東京都内私立中学校の学費の状況について」という資料を発表していますが、その令和6年版度版によると、初年度納付金(授業料・入学金・施設費・その他の総額)の、都内最高額は「上野学園(国際コース)」の211万7800円。一方、最安値は「八王子実践」「サレジオ」の66万8000円です。同じ都内の私立中学でも実に3倍以上の違いがあります。 初年度納付金の高い都内の学校には、他に「玉川学園中等部(IBクラス)」(192万2300円)、「ドルトン東京学園中等部」(154万円)、「成蹊(国際学級)」(149万6000円)、「慶應義塾中等部」(145万円)などがあります。 一方で、初年度納付金の低い学校には「愛国」(71万5000円)、「開智日本橋学園」(74万8000円)、「北豊島」(76万2000円)、「東星学園」(77万6700円)などの名前が見られます(すべて数字は、令和6年度「東京都内私立中学校の学費の状況について」より。現在は変わっている可能性もあります)。 ■家庭の状況も6年間ずっと同じとは限らない 学校を選ぶ際、学費のことは敢えて考えないようにされるご家庭も多いと思いますが、開成高校では、中学在学中に家計が急変し、進学を断念する家庭が出てきたことから、優秀な生徒を確保しておくために奨学金制度を設けました。そのくらい、6年間の学費の負担は大きいですし、家庭の状況も6年間ずっと同じとは限らないと身につまされます。
また、私立学校には、授業料以外に「寄付金」や「おつきあいの費用」という、なかなか表には見えづらい費用がかかってくることも多いです。このあたりのことも現実的に考えておくことをお勧めします。 (文/安浪京子) ○安浪京子(やすなみ・きょうこ)/算数教育家・中学受験専門カウンセラー。具体的でわかりやすい指導法や親子の立場に寄り添ったメンタルサポートが人気。著書に『親がやるべき受験サポート』(共著・朝日新聞出版)など多数。最新刊に『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(ダイヤモンド社)。
安浪京子