「ガキは置いてけ!」地元に帰って元ヤンと結婚した40代看護師が地獄から恐怖を逃れるまで
離婚してわかった「危険な現実」
夫も完璧に整えられた書類と証拠を並べられると反論はできず、離婚届に判を捺しました。慰謝料や養育費についての話をすると、驚くような現実が明らかになりました。夫の会社は羽振りよくしていますが、実際は赤字続き。銀行からの借入で回っているような状況で、給料の遅配も起こっていたそうです。 由紀代さんは、そこから金をもらって恨まれるのは嫌だと、養育費も諦めて離婚をしたそうです。自立しているからこそすぐ選べたことです。 「払うって言ったって月3万円程度。そのくらいなら、私が稼げばいいと思いました。久しぶりに戻ったら、東京の給料が上がっている。とりあえずある病院に就職しました。貯金もたくさんあるし、私の先輩から“うちで働かないか”と誘いも得ており、とりあえず落ち着いた感じです」 その後、義両親と夫が、由紀代さんの貯金や給料も狙っていたことがわかり、「逃げられてよかったです」と語っていました。さらに夫は既婚者女性と浮気をしていましたが、この女性の夫が浮気に気づき、夫の自慢の愛車をバッドで殴ってボコボコにしたそうです。女性も入院するほど殴られたのちに離婚。暴力的に「落とし前をつけろ」という価値観により、夫も女性も代償を払いました。 由紀代さん親子は、そんな価値観から抜けて、未来に向かって進みます。向上心があり自立している母のもとで、息子は健やかに育つでしょう。今回の調査で、相手に配慮をしない行動や選択は、お互いに不幸になると改めて思いました。価値観は時代と共に変わりますが、相手を尊重することと、柔軟さはいつの時代も求められる。 それが実行できた人から、幸せな人生を手に入れるのではないかと感じてしまいました。 また、「地方と女性」の問題も目の当たりにしました。女性が次々と出ていく地方は、消滅する可能性があるという報告も、脅しではないと感じます。たとえば「地域からジェンダー平等研究会」は都道府県別ジェンダー・ギャップ指数を可視化しています。そのギャップはなぜ起こるのか。若い女性が「出たい」と思う地方は消滅しかねない、ということを念頭に置いて、変えなければならないと強く感じました。 調査料金は45万円(経費別)です。
山村 佳子(探偵事務所代表)