「ガキは置いてけ!」地元に帰って元ヤンと結婚した40代看護師が地獄から恐怖を逃れるまで
元ヤン男と堅実な看護師が夫婦に
由紀代さんの夫婦関係を振り返ります。同い年の夫とは中学校の同級生でした。当時、ギャル男だった夫は地元の底辺校に。由紀代さんは幼い頃から看護師になるという夢があり、進学校に進んだ後、東京の看護大学に合格し働き始めます。28歳の時に医師と結婚し、3年後に離婚。東京で自由な一人暮らしを謳歌していましたが、コロナ明けに地元の同窓会に参加。親の建設業を継ぎ社長になっていた夫と意気投合し、その場でホテルへ行くことになりました。夫は子供ができないことを理由に2回の離婚歴がありました。 その後も、夫は東京まで会いに来てくれて“俺のところに来いよ”など、今の時代には珍しい“男らしい”発言を繰り返し、由紀代さんがそれに惹かれていったところ、妊娠が判明。 由紀代さんは当時総合病院に勤務しており、コロナ禍も懸命に医療現場にいましたが、献身しても給料も上がらず、待遇も改善されない。それでいて退職しにくい雰囲気もある。「結婚する」という大義名分がなければこの状況から出られないと判断し、寿退職して地元に帰り、息子を出産したのです。 しかし夫も夫の実家も「男は腕っぷしが強くないとダメだ」「夜の勤めは妻の仕事」「夫の浮気は妻のせい」「離婚するなら子供を置いていけ」などという価値観がまかり通っており、由紀代さんは夫の実家からも阻害されるように。このままではメンタルが危ないと、託児所がある県立病院に再就職します。 ところが看護師の仕事で忙しくしている中、夫は隣町の花屋さんにいる25歳の店員と浮気。この女性も既婚者で、夫は暴力行為で知られる人物でした。「もし、浮気が相手の夫に知れたら、私と息子の身に危険があるかも」と不安を抱いた由紀代さんは、息子を連れて離婚するために、証拠をおさえようと調査を依頼したのです。
「義父母は私のことを“よそ者”だと思っているんです」
由紀代さんから夫の行動パターン、地元の雰囲気などの入念にヒアリングして、すぐに現地へと向かいました。由紀代さんは夫に「元同僚の結婚式に行き、東京で1泊する」と言っているので、女性を家に連れ込むだろうと判断したのです。 私たちは夕方に到着し、由紀代さんの自宅前にある資材置き場の物陰に車を停めて待機。築3年だという家は3人家族では広すぎるほどで、夫の会社は相当、業績が好調なんだと思いました。ガレージには、軽自動車2台がありましたが、もう一台分のスペースがあり「ここに夫は愛車を止めるんだな」と思いつつ、ひたすら待機。 すると、19時に夫の愛車である、高級外車のエンジン音が聞こえてきました。 これは、芸能界にも愛用者が多い人気車種で、夫の父親が孫の誕生記念に買った物だと聞いています。夫の父親は、孫を産んだ嫁・由紀代さんには、祝いの品やお金を何ひとつ渡さなかったそうです。「義父母は私のことを“よそ者”だと思っているんです」と話していたことを思い出しました。