阪神開幕白星発進の裏に矢野監督「9回打ち切り用采配」とフロント準備力
ただベンチワークのすべてがパーフェクトだったわけではない。7回に思い切って投入したルーキー石井の起用は裏目に出た。勝利投手となったものの加治屋の”回またぎ”起用も疑問の残るものだった。ヤクルトの拙攻にも助けられたが、特筆すべきは、開幕前に戦力を万全に整えた阪神フロントの準備力である。 昨年の段階で、新型コロナによる入国制限が起きる可能性を考えて、在留資格認定証明書を取得しておき、サンズ、マルテ、スアレス、ガンケル、エドワーズに、ロッテから移籍したチェンまでを沖縄キャンプから合流させることに成功。開幕に間に合わせた。阪神の渉外担当の周到な準備、リスク管理の成果が、いきなり開幕戦から日の目を見たのである。フロントと現場が一体となって突き進むチームは強い。 サンズはヒーローインタビューで「開幕勝利は大きな1勝だ。今年はファンに優勝フラッグを届けたい」と語った。今年の阪神は一味違う。大きな期待を抱かせる2年ぶりの白星スタートとなった。