「いつ自分が被害者になるかはわからない」カスハラで苦しむ社員に産業医が教えている"身を守るための行動"
■解決策が見つかるとは限らないという現実 しかし、たとえ勇気を出してハラスメントを告発し、それが調査されたとしても、判定が黒とならずにグレーとなる場合が多々あります。相手に遠慮して会社が何も有効な対策をとれない(とらない)場合もあります。 職場におけるカスハラ問題は、残念ながら解決策が簡単には見つかるとは限りません。 周囲の助けを求めることも大切ですが、すぐには解決しないことが多い以上、自分でできることについては、日頃から意識しておくに越したことはありません。常に、オンとオフの切り替えや気分転換を図る、仕事はあくまでも仕事と割り切るなど、個人としてできるセルフケアを日々実践しておくことが大切です。 会社が全てではないことを自覚し、オフタイムをもっと充実させましょう。会社の外に情熱をかけることがあれば、会社のことなど気にならなくなるものです。それでも辛い場合は、その会社を辞めることも考えてみましょう。繰り返しますが、会社はあなたの人生の全てではありません。もしくは、もっともっと仕事に精進し実力を今以上につけましょう。 以上、カスハラで潰れないための自己防衛方法について述べさせていただきました。少しでもお役に立てば幸いです。 ---------- 武神 健之(たけがみ・けんじ) 医師 医学博士、日本医師会認定産業医。一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。ドイツ銀行グループ、バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ、ムーディーズ、フォルクスワーゲングループ、BMWグループ、エリクソンジャパン、テンプル大学日本校、アドビージャパン、テスラ、S&Pといった大手外資系企業を中心に、年間1000件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を実施。働く人の「こころとからだ」の健康管理を手伝う。2014年6月には、一般社団法人日本ストレスチェック協会を設立し、「不安とストレスに上手に対処するための技術」、「落ち込まないための手法」などを説いている。著書に、『職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書』や『不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣』『外資系エリート1万人をみてきた産業医が教える メンタルが強い人の習慣』などがある。公式サイト ----------
医師 武神 健之