愛知県「まん延防止要請には至らない」 大村知事が臨時会見
愛知県の大村秀章知事は30日、県庁で臨時記者会見を開いた。政府がこの日、「緊急事態宣言」の対象地域に埼玉・千葉・神奈川の首都圏3県と大阪を追加し、石川や福岡など5道府県には「まん延防止等重点措置」を適用する方針を決めたが、大村知事は愛知について感染者数や入院者数が比較的少ないとして「今日の段階でまん延防止などを要請するには至らない」と述べた。
「不思議なぐらい落ち着いている」
この日の県内の新規陽性者は再感染者1人を含む230人。1日200人を超えるのは3日連続だが、首都圏や大阪に比べて低い水準にとどまっている。 大村知事は「一昨日264人になってから300、400行くのかと思ったが、意外にそうでもない。不思議なぐらい何でこんなに落ち着いているのだという気がしないでもない」と首を傾げた。 愛知県独自の「厳重警戒宣言」を8月11日まで発出することを強調した上で、「オリンピックの開催中であり、東京や首都圏への移動はやめていただきたい。大人数で集まって応援するようなことは厳に控えていただきたい」と呼び掛けた。
ワクチン接種の進展を強調
29日時点で入院者数は確保病床数1515床に対して265人、重症者は7人。重症者の内訳は50歳代が3人、60歳代が3人、70歳代が1人。高齢者施設でのクラスター発生がなくなっており、大村知事は「職域接種を含めてワクチン接種が進んでいることが効いている」とする。 人口の多い10都道府県の中で、1回目の接種を終えた高齢者の接種率は、愛知県が88.43%で1位になるという。2位は福岡県で86.48%、3位は埼玉県で85.90%。東京都は83.42%で9位、大阪は81.12%で10位。 県が設置した2カ所の大規模ワクチン接種会場では31日から順次、対象地域を周辺自治体に拡大する。名古屋空港ターミナルビルは一宮市や津島市、稲沢市、大治町を加えて計15市町、藤田医科大は常滑市、東海市、知多市、東浦町、南知多町、美浜町を加えた計14市町を対象にして、接種を加速させる方針。 (関口威人/nameken)