クレーンゲーム発祥は1965年のタイトー製。1985年に大ヒット機「UFO CATCHER」をセガが発売、今は外国人にも人気
現在放送中のNHK連続テレビ小説『おむすび』にも登場したゲームセンター。ハギャレンたちが毎日集っていました。1980年代に全盛期を迎え、一時は「不良のたまり場」ともいわれたほど、良くも悪くも賑わいを見せた場でした。しかし、現在では関連企業の倒産や廃業が相次ぎ、大幅に店舗数を減らしています。一方、昔からゲームセンターとの結びつきが強かった「クレーンゲーム」は盛況の様子。設置場所をゲームセンターからショッピングモールなどへと広げ、順調に市場規模を拡大しています。 コラム:「技」を駆使して景品をゲット! * * * * * * * ◆昔のクレーンゲームは箱型だった 日本のクレーンゲームの歴史は比較的古く、1965年にタイトーからクレーンゲーム機「クラウン602」が発売されたという記録が残っています。 この頃のクレーンゲーム機は今よりもサイズが小さく、上から見下ろしながら操作する箱型のタイプが一般的でした。 景品も今ほど豪華ではなく、カプセル入りのお菓子やキーホルダーといったちょっとしたものが主流だったといわれています。時にはタバコやライター、下着なども景品として入れられることがあったというから驚きです。景品のラインナップからわかるように、この時代のクレーンゲームは大人が主なターゲットでした。 そんなクレーンゲーム市場に転機が訪れたのは、1980年代後半に入ってからのことです。セガが1985年に発売した大ヒット機「UFO CATCHER」を皮切りに、さまざまなメーカーによる開発競争が始まりました。 現在では一般的となった、ポップな色使いのクレーンゲーム機やぬいぐるみを景品としたクレーンゲーム機も、この頃から登場し始めます。「かわいさ」や「親しみやすさ」といった要素を取り入れたことで、女性からもクレーンゲームが注目されるようになりました。
◆人気キャラクターを景品に 1990年ごろになると、景品としてアニメや漫画、ゲームに登場する人気キャラクターのグッズが投入されるようになります。クレーンゲームの存在が一般に広く認知されるようになり、ブームが巻き起こったのもこの頃です。 さらに2010年ごろからは、人気キャラクターの高品質なグッズや希少価値の高い限定グッズなど、豪華な景品が続々と投入されるようになりました。好きなキャラクターのグッズを買ったり、コレクションしたりして楽しむ「推し活」が流行り始めたことも追い風となって、クレーンゲームは現在まで続く安定した人気を築き上げています。 現在、YouTubeでもクレーンゲーム動画が人気です。例えば目当ての景品を取るための「攻略動画」や、制限時間内に取れた景品数を競う「対戦動画」など、見ているだけで緊張感を味わえるような動画が盛んに投稿されています。 なかには、外国人観光客に代わって景品をゲットし、その場でプレゼントしてあげるというユニークな企画動画も。実際に、最近では海外からも日本のクレーンゲームが注目されているようで、観光地のゲームセンターを訪れれば、多くの外国人観光客の姿を見ることができます。 小さな箱型タイプから始まり、時代の移り変わりにあわせて進化してきたクレーンゲーム。今後も国内外からの熱視線を浴びつつ、独自の発展を遂げていきそうです。
「婦人公論.jp」編集部
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