【インタビュー】平野ルナ選手~反対されても決めたST600参戦。その道は世界の舞台につながっていた~
「(男性ライダーは)『男が女に負けるな』と言われるようですね。あとは、基礎体力の違いは感じます。0から100の力を出そうとしたとき、女性は0から100まで時間がかかりますが、男性はその時間が短いんです。恐怖心の無さの違いも感じます。性格によるとは思いますけどね。女性の利点としては、丁寧に乗るということじゃないかなと思います」 「けれど、鈴鹿8耐を走っていて、そこまで男女の違い、差は感じなかったです。総合的に見たら、それほど大きな違いはない、とは思います」 「ただ、トップを目指すとなると、すごく難しいと思います。全体的な体のつくりが違うと思うんです。女性は筋力に限界があるので、どんなに頑張って体を鍛えても、女性は(SBKなどで)トップを走る人の体にはなれないと思います。極論になりますが、そのくらいの差はあるのではないでしょうか。でも、ミドルクラスなら、女性でも戦えると思います」 よって、こうした独立した女性ライダーによる世界選手権は、意味がある、と平野選手は考えています。 「世界的に見ても、女性レーシングライダーは男性の1割くらいです。こういう選手権があると、みんなの目指す場所になると思います。わたしが参戦できた意義として、日本で走っている女性ライダーでも世界を目指すことが可能だと示すことが仕事なのかな、と考えています」 「わたしは今、24歳ですけど、結婚や、『女の子は危ないから』という声を考えないでいい場所がここなんじゃないかな、と。(バイクに乗り始めたばかりの)小さい女の子でも、最初は『世界を走りたい、MotoGPに行きたい!』って、思うはずなんです。最高峰だから。でも、どこかのタイミングで『MotoGPは無理なんじゃないか』と思ったとき、『女性の世界選手権もある、そっちを目指すのもいいんじゃないか』と考えられる、そういう選択肢が増えるのはいいことですよね」 「ここ(WCR)が最後(の目的地)じゃないと思うんです。ここからSBKに行ける可能性もあるし、EWC(FIM世界耐久選手権)のライダーになれる可能性もある。自分のプロモーションの場所にもできると思います。ぜひ、この選手権を目指してもらいたいと思います」