宇宙飛行士・野口さんが会見(全文1)挑戦で得られる成長が怖さを上回る
意気込みがあれば教えて
時事通信:時事通信の神田です。ケネディに入られて、実際に自分が乗られる宇宙船「レジリエンス」、それからロケットをご覧になられたということですが、やっぱり発射場で感じる独特の雰囲気というか、やっぱり来たなという、何か、意気込みみたいなものがありましたら、あらためて教えてください。 野口:ありがとうございます。神田さんもご無沙汰しております。やはり実際に自分が乗る宇宙船とロケット、完全に整備が終わって、整備工場から、組立棟から出てくるところを見るっていうのはやっぱり、すごく感慨があるな、と。 考えてみたら、実はスペースシャトルのときには打ち上げのかなり前に、いわゆるロールアウト、3週間前とかにやってしまうので、普通はもう、クルーは見ない。「ソユーズ」宇宙船の場合には、直前に、2日ぐらい前にロールアウトするんですけど、これはロシアのほうの習慣で、自分が乗る宇宙飛行士は、そのロケットは見ないっていう不思議な習慣があるので、われわれはそれを見なかったんです。 そういう意味では、自分が実際に乗るロケットが、しずしずと整備棟から出ていくのを見るのは、今回が3回目にして初めてなので、本当に整備棟の中の人たちの、すごく打ち上げに向けて、自信満々という感じでしたし、われわれもいろんな話を聞くにつれ、ロケット、準備がしっかり進んでいると思うので、そういう意味では本当に、今週の打ち上げに向けて、いろんな準備が進んでいるなと感じました。 時事通信:ありがとうございました。 野口:ありがとうございました。 司会:それでは次にまいります。ライターの林さん、お願いします。
「みんなのミッション」と言った意図は
林:ライターの林です。野口さん、お疲れさまです。ケネディに到着した際に、このミッションはみんなのミッションだということをおっしゃってましたけれども、その意図をあらためてお聞きできますでしょうか。 野口:林さん、ご無沙汰しています。そうですね、特に今年、2020年っていうのはいろんな意味で厳しい1年だったなと。コロナウイルスは当然ですけれども、アメリカもいろんな意味で、公民権というか、人権に関するいろんな動きがありましたし、日本は災害がありましたし、オリンピックも延期になった年だということで、皆さん、それぞれの、非常に厳しい思い、割り切れない思いとか、苦しみを抱えてきた1年だったと思っています。 やはりそういう人たちの、皆さんの思いに、なんとか新しい息吹、新しい展望を届けたいっていうのがクルー4人の共通した願いであって、それが「レジリエンス」というのにつながっているんですけど、それがわれわれ4人だけではないと。NASA、JAXA、それから各インターナショナルパートナーも協力して、このミッションにつなげているっていうのがありますし、それを応援していただいている皆さんも、日本の皆さんも、もう本当に応援、来たいっておっしゃっていただいていた皆さんも、いろんな理由で来れなかったっていう方が非常に多いので、そういう方々の気持ちも含めて、一緒に飛ぼうじゃないか、と。 われわれのミッションパッチには4人の名前も入れないと。みんな、皆さん自身が自分の名前を入れて、自分のミッションと思えるように、そういう思いでミッションに臨みたい、そういう気持ちです。 林:ありがとうございます。成功を祈っています。 野口:ありがとうございます。 司会:次にまいります。毎日新聞の永山さん、お願いします。 毎日新聞:毎日新聞の永山です。聞こえておりますでしょうか。 野口:永山さん、こんにちは。よろしくお願いします。