【年金や給付金など】政党ごと「社会保障の政策の違い」まとめ
物価上昇が続く中、政府は「力強い賃上げ」を掲げているものの、社会保険料の負担も増加傾向にあります。賃金の伸びが実感できない日々が続くという方も、多いのではないでしょうか。 ◆【社会保険適用拡大】多くの政党が掲げた「年収の壁」対策。社会保険適用拡大が、2024年10月よりスタート 社会保険料には厚生年金保険料や健康保険料などがありますが、これらは社会保障制度を支える財源となります。 衆議院議員選挙の投票日が10月27日(日)に迫り、各政党の方針案も出そろいました。 本記事では、それぞれの政党の公約等の中から、年金や給付金など「社会保障制度」にまつわる内容をまとめていきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
自民党が掲げる「全世代型社会保障」
自民党は注目キーワードとして、“全世代型社会保障”を掲げています。 ・全世代型社会保障の構築 ・国民皆保険を堅持しつつ安心できる医療提供体制の構築 ・年収の壁を見直し、働き方に中立な社会保険制度とする。年金制度では被用者として手厚い給付を受けられる人を増やして高齢者が働きやすい仕組みに。基礎年金の受給額の底上げを図り、将来にわたる安心をさらに強化する。 年収の壁とは、扶養内で働く妻(夫)が一定以上の年収を超えたとき、税金や社会保険料の支払いが発生するために手取り額が逆転してしまうラインのことです。 2024年には社会保険が適用拡大となったことを受け、社会保険の加入対象となる従業員が増えました。こうした年収の壁を意識するために、労働時間を調整する人も多いのが現実です。 社会保険適用拡大の対象となる企業 出所:厚生労働省「社会保険適用拡大ハンドブック」 なお、社会保障とは別に「物価高騰対策・所得拡大」の公約も掲げています。例えば当面の対応として、低所得者世帯を下支えるするための給付金による支援を講じるとしています。
公明党が掲げる「持続可能で安心できる公的年金制度の確立」
公明党では年金の分野として「持続可能で安心できる公的年金制度の確立」を掲げています。 高齢者の所得保障の充実に向けて、被用者保険のさらなる適用拡大を実現すること。また、基礎年金の給付水準の底上げに取り組むとのことです。 なお、働く高齢者に向け、在職老齢年金の見直しも進めるとしています。 在職老齢年金とは、働いて厚生年金保険に加入し続ける中で年金も受給することになった場合、給与と年金額によって年金の一部または全部が支給停止される制度をいいます。 具体的には、「老齢厚生年金の月額」と「毎月の賃金+1年間のボーナスを12で割った金額」が50万円を超えた場合、超えた金額の半分が年金額より支給停止されます(老齢基礎年金は全額支給されます)。 在職老齢年金の仕組み 出所:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」 こうした制度がシニアの働き控えにつながるという点から、制度の改革が議論されてきました。 公明党ではこの他にも、年収の壁の解消や大学の教育費の負担軽減、児童扶養手当のさらなる拡充などを公約で掲げています。