約4割が取引先とのトラブルを経験――もう泣き寝入りしない「フリーランス新法」の中身とは? 契約の仕方など知っておきたいポイントを解説
出所)公正取引委員会 フリーランス法特設ページより ■発注事業者の禁止行為 ①受領拒否(注文した物品または情報成果物の受領を拒むこと)、②報酬の減額(あらかじめ定めた報酬を減額すること)、③返品(受け取った物品を返品すること)、④買いたたき(類似品等の価格または市価に比べて、著しく低い報酬を不当に定めること)、⑤購入・利用強制(指定する物・役務を強制的に購入・利用させること)、⑥不当な経済上の利益の提供要請(金銭、労務の提供等をさせること)、⑦不当な給付内容の変更・やり直し(費用を負担せずに注文内容を変更し、または受領後にやり直しをさせること)
出所)公正取引委員会 フリーランス法特設ページより ■トラブルを防ぐ自己防衛術 フリーランス法は11月1日からの取引が対象となる。この先、トラブルを避けるためにどうしたらいいか。 まずは取引条件の明示だ。これは発注事業者の義務だが、フリーランスから言い出しにくい。こうした場合、フリーランス側から発注内容をヒヤリングした内容を箇条書きにし、メールやチャットで発注事業者に送ることで記録を残しておきたい。
「口約束で話している段階では、決まっていないこともあるでしょう。いい仕事をするためには、何が決まっていて、何が決まっていないのかも含め、事前にちゃんと依頼されている内容や要件を細かくヒヤリングをすることです」(平田氏) 納品の期日や報酬額など、聞き取った内容をメモしたら、発注事業者に<先ほどの話を念のため認識の齟齬(そご)がないように書き起こしてみました。問題なければその旨ご返事ください>などと送る。
相手から<それで問題ないです。お願いします>といった返事をもらえば、合意が成り立つ。 「フリーランスも受け身ではなく、自分で条件を決めるルールメーカーになったほうがいい。もちろん、関係性やその会社の方針によっては、一方的に定められた条件を飲まないといけないこともありますが、取引条件を言語化して残しておくことは、立場が弱くてもできます」(平田氏) また、発注事業者から契約書や発注書を提示された場合は、違約金の発生など不利な条件がないか、必ずよく読んで確認しておきたい。