50代、「更年期」後も不調は続くもの?その後の暮らしで意識しておきたい習慣
閉経後でも更年期の不調を抱える50代の読者のお悩みを、産婦人科専門医の高尾美穂先生が解決。50代以降の女性の体の変化について教えてくれました。
読者のお悩み:閉経後も続く体の不調…。この先、体はどう変わるの?
閉経前から動悸、寝汗、ホットフラッシュが始まり、閉経後5年もたった今も月に1度は起こります。重くはないのですが、一体この症状はいつまで続くのでしょうか…。閉経後の体の変化を知りたいです。(Aさん・53歳)
高尾先生の回答:更年期後も不調は続くもの。さらに健康意識を高めて
更年期とは閉経を挟んで前後5年の計10年のこと。とくに閉経前は女性ホルモン(エストロゲン)のアップダウンが激しいため、自律神経を司る脳の視床下部が大混乱。それにより心身ともに「ゆらぎ」を感じやすくなります。しかし、閉経を迎えて1年もたつと女性ホルモンはほとんど分泌されなくなるため、ゆらぎが落ち着くのが一般的です。 相談者さんは5年前に閉経しているので、今の不調は更年期によるものか、別の要因か、これだけでは判断が難しいですね。もし、更年期を疑うのであれば、婦人科で女性ホルモンの量を調べてみましょう。そのうえで、ホットフラッシュに効果のあるホルモン補充療法「HRT」を取り入れる、もしくはエストロゲンに似た働きをする「エクオール」という成分を含んだサプリメントを摂取するのも手です。 また、今の不調の陰には甲状腺疾患などほかの病気が隠れている場合もあるので、婦人科以外でもきちんと検査をすることをおすすめします。
更年期以降は、健康に留意した生活を
閉経後、更年期による不調は次第に軽減されていきますが、女性の健康と美の守り神であるエストロゲンはずっと欠乏したままで、それは今後も変わりません。やがて閉経後5年を過ぎると更年期から「老年期」と呼ばれるフェーズに突入します。 老年期になると、シワが深くなったり、うるおいが失われたり、見た目に自信がなくなることが増えるだけではありません。骨がもろくなって背中が曲がったり、高血圧や脂質異常症、心筋梗塞のような生活習慣病のリスクが上がったりと、事態はますます深刻な局面を迎えます。 月並みですが、健康を下支えするのは規則正しい生活、バランスがとれた食事、そして適度な運動です。心配ごとが増えるからこそ、今まで以上に健康習慣を心がけるよう、肝に銘じていきましょうね。
ESSE編集部