「すぐむせてしまう人」は知っておくべき。嚥下障害があっても「食べやすい、飲み込みやすい食品」
Q 献立の立て方や、調理のポイントを教えてください
1日3食は、ごはんやパンなどの主食、肉や魚、卵などの主菜、野菜やいもなどの副菜の3品とし、おやつに果物や乳製品などを用意するとよいでしょう。 ● ごはん(米) 重湯から全粥まで、飲み込みやすさを調整しやすいのが特徴です。必要に応じてとろみをつけましょう。 ● パン パン粥やフレンチトーストにするなど、水分を増やせば食べやすくなります。 ● めん 嚥下障害がある場合、意外に食べにくいもの。ゼリー寄せにする、やわらかくゆでて短く切り、汁にとろみをつけるなどの工夫が必要です。 ● 肉 肉団子やハンバーグにしても、そのままでは飲み込みにくいことが多いでしょう。水分を加えてミキサーにかけ、ペースト状にすれば食べやすくなります。 ● 魚 刺身を包丁でたたいてやわらかくする「たたき」にすれば、飲み込みやすさが増します。細かく切ってたたき、みそと混ぜる「なめろう」にすると、さらに飲み込みやすくなります。煮魚をほぐしてあんかけにしたり、すり身でやわらかな団子をつくり、あんかけにするのもよいでしょう。 ● 卵 温泉卵なら嚥下機能が十分ではない段階でも食べられます。茶わん蒸しやプリンもよいでしょう。高たんぱくで調理もしやすいので活用しましょう。 ● 豆腐 やわらかくつぶしやすいのですが、つぶすだけでは飲み込みにくいため、とろみをつけてまとまりやすくしましょう。 ● 野菜 繊維を細かくしたうえで、障害の程度に応じてゼリー状、ペーストまたはピューレ状にします。ある程度、嚥下機能があれば、やわらかくゆでて、和え物にすると食べやすくなります。 ● いも やわらかくゆでてつぶせば、活用の幅は広がります。パサつきが気になるようならバターやマヨネーズを加えるとよいでしょう。 ● 果物 果汁はゼリーにするか、とろみをつけましょう。やわらかく熟してつぶしやすいものなら、そのままで食べられることも。バナナと牛乳、卵、砂糖かはちみつ、(好みで)バニラエッセンスをミキサーで混ぜたバナナミルクセーキもおすすめです。 ● 乳製品 ヨーグルトは、そのまま嚥下食として利用できることもあります。 第8回【口から食べられなくなったら、おしまい? リハビリ期から終末期までの「ベストなケア」とは】
藤島 一郎