「すぐむせてしまう人」は知っておくべき。嚥下障害があっても「食べやすい、飲み込みやすい食品」
Q 飲み込みにくい食品は?
食べにくい、飲み込みにくいものを無理に食べていると、食べるのに苦労するだけでなく、窒息などの危険性を高めてしまうこともあります。 飲み込みにくい食品は、「かたい」「ぱさぱさしている」「ばらばらでまとまりにくい」「粘膜にはりつきやすい」といった特徴があります。 ● 鶏のささみ ぱさぱさしてまとまりにくい ● こんにゃく 弾力性がありすぎて咀嚼しにくい。丸飲みすると窒息の危険も ● のり 粘膜にはりつき、残りやすい ● わかめ 咀嚼しにくく、はりつきやすい ● 揚げ物(とくにフライ) 衣がぱさつき、うまく嚙めない ● とうもろこし ばらばらで食塊をつくりにくい ● ナッツ類 かたく、嚙み砕きにくいうえ、まとまりにくい ● もち 粘りが強く咀嚼しにくい。粘膜にはりつき、通過しにくい。高齢者の窒息死が年末年始に増える一因と指摘されている ● 寒天 変形しにくく、嚙むと細かい粒になってまとまりにくい これらの食品は要注意です。とくに好物ということでなければ、食べないようにするのが無難な選択です。ペースト状にする、揚げ物は卵でとじるなど、調理の工夫で食べられることもあります。 なお、ゼラチンと寒天は似て非なるものです。「ゼリー寄せ」も「寒天寄せ」も似たようなものと思われがちですが、性状は大きく異なります。 寒天にはゼラチンのような滑らかさや、やわらかな弾力性がありません。ただし、ゲル化剤の原料の一部に寒天が使われていることはあります。そうした製品は、食べやすく加工されているので問題はありませんが、寒天そのものを嚥下食として用いるのは注意しましょう。 「おいしいものを食べたい/食べさせたい」という気持ちは大切にしていきたいものです。けれど、嚥下障害がある場合、以前と同じようになんでも食べられるわけではありません。安全に食べるには、食材や調理法を選ぶことも必要です。