<安保法制>民主党・福山哲郎議員に聞く 戦争に巻き込まれる法案なのか?
自衛隊員のリスクはどうなる?
福山:リスクの議論は本当に大切です。集団的自衛権の行使の話とは別に、いわゆる後方支援の問題があります。イラク特措法や、テロ特措法のときに日本が人道支援等をやったときの枠組みが後方支援です。 今まではこうでした。D国とC国が武力行使をやったり紛争が起きているときに、武力行使に係る後方支援として、物資の提供をする。活動場所は、「非戦闘地域」で、一定の期間そこでは戦闘が行われないだろうということを想定できる場所を決めて、そこの実施区域の中で後方支援をやる、という枠だった。それでも、イラク特措法のときには、迫撃砲が宿営地に打ち込まれたりということが、現実に起こりましたが……。今回の法案では、非戦闘地域の規定はなく、「現に戦闘行為を行ってる現場ではない場所」となった。つまり、より戦闘が行われている地域に近い状況で後方支援ができる枠組みができたわけです。 当然、リスクは高まります。しかし政権は、「何か起こったらすぐに撤収をする、中止をするので、リスクは同じ、変わらない」と説明する。本当に自衛隊員の方のリスクは高まってないのか。前線で実際に戦っている方々からすれば、戦闘現場により近いところで、武力行使に係る後方支援、物資の提供等をするのです。軍事活動である兵站(へいたん)を担う後方支援部隊が、危険が近づくからといって、撤収することが本当に可能なのか。 また、今回のPKO法の改正案で治安維持任務が増えている。基本的に、治安維持活動では、たとえ紛争後の停戦であっても、PKOの部隊は死者が多い。それでもリスクは高まってないのか。 この国の安全や安心を守るために、政権が自衛隊員に対し、新しい職務をお願いをするときには、「国のために必要だが、リスクや危険は高まる。でも、国のためになんとかしっかりとやってくれ」と、お願いをするのが政治としての責任でしょう。リスクは高まらないと言いつつ、現実には、危険な状況を想定をしているとしたら、私は政治の怠慢ではないかと思います。正面から国民の皆さんに説明すべきだ。