地検トップによる性被害訴える女性検事「被告の罪深さ、本当に許せない」身をもって性犯罪被害者のつらさ知り「検事の鎧」で戦う
元部下に性的暴行を加えた罪に問われている大阪地検元トップの男の裁判をめぐり、ジャーナリストの浜田敬子さんが被害を訴える女性検事に話を聞いた。 【写真】地検トップによる性被害訴える女性検事が激白 浜田さんは新聞記者出身で、国内外の現場に自ら出向いて取材活動をしているが、今回この取材をした問題意識について次のように話した。 浜田敬子さん:最初に女性検事の会見を見たときに、現職の検事が元上司の検事正からの被害を訴えたという、内容の衝撃が非常にありました。法を司る立場の検察が事件の舞台になったということも非常に驚いたんです。 浜田敬子さん:もちろん私だけじゃなくて、周りの多くの女性から、あの会見を見て非常にショックを受けたと。彼女のために何かできることはないかという声を結構かけられたんです。その背景に何があるのかと考えた時に、やはり少なくない女性たちが職場とかいろんなところでこういった性被害に遭っていて、声を上げられずに悩んでるんじゃないか。この事件の本質は何なのかということで、取材を続けていきました。
■「検事としての尊厳を踏みにじられ、身も心もボロボロにされた」
浜田敬子さん:今回の事件を聞いた時に、非常に多くの女性たちから私の元にも『本当にひどい』『私にも何かできないか』という声が非常にたくさん寄せられたんです。 被害を訴える女性検事:ありがとうございます。 世間の注目を浴びた大阪地方検察庁のトップだった北川健太郎被告(65)が逮捕・起訴された、準強制性交等事件。 北川被告は検事正就任祝いの飲み会の後、酒に酔って抵抗できない部下の女性検事を、自分の官舎に連れ込み、性的暴行を加えた罪に問われている。 被害を訴える女性検事(去年10月の会見):上司として尊敬していた検事正の被告人から性交されているという予想外の事態に直面して、恐怖して、驚愕して、絶望して、凍り付きました。 被害を訴える女性検事(去年10月の会見):女性として、妻として、母としての私の尊厳、そして検事としての尊厳を踏みにじられ、身も心もボロボロにされ、家族との平穏な生活も大切な仕事も全て壊されました。 勇気を振り絞り、被害を訴えた記者会見からおよそ2カ月。女性検事には多くの支援の声が届いている。 被害を訴える女性検事:1回目の会見をした後に、(支援者を通じ)200人弱の方が『with you=あなたとともにいる』というメッセージを送っていただきました。性犯罪被害を受けた当事者からもたくさん声をいただいていて、声を上げられない人、声を上げても苦しんでいる人たちの戦いでもあるから支えていくと。 浜田敬子さん:それだけ声なき声というか、『代弁してくれてありがとう』といった方も多かったということなのでしょうね。 被害を訴える女性検事:そうですね。本当に私だけの戦いじゃないと。自分もメッセージをいただいて実感しています。