サウサンプトン移籍が決まった菅原由勢が明かす“一大分岐点のルーツ”。「衝撃が一番スゴかったのは…柏戦で0対20とか」【独占取材】
「家族のためにプロになってみせる。そう思っていました」
こうした日々で芽生えたのが家族への思い。 「平日は学校から駅まで送ってもらって、夜11時にまた駅まで迎えに来てくれた。土日もそう。僕には兄も姉もいるけれど、みんなが僕のために時間を割いてくれました。家族への思いは年を追うごとに強くなる。『家族のためにプロになってみせる』。そう思っていました。彼らのサポートなしにはここまで成し遂げることはできなかった、と強く思います」 菅原が入ったとき、ラランジャ豊川は近所の公園でサッカーを教えていたクラブだった。それが今や、プロサッカー選手を複数人輩出するクラブに成長し、この夏にはクラブ専用のサッカーグラウンドが完成した。 「スゴくないですか? 『一緒に』と言うとおこがましいんですが、公園の街クラブがそこまで大きくなり、宮沢さんのサッカー指導者のキャリアに携われたのはとても嬉しいですし、僕がたぶん、宮沢さんの完全なる教え子として初めてのプロサッカー選手。豊川市のガキ大将が集まるようなやんちゃなクラブだったんですよ。『こんなところからプロになれるの?』みたいな集団だったのが、僕がグランパスに行ってから、完全にラランジャを見る目が変わったと聞きました」 このオフに報道されたように、今も菅原は日本に帰るとタイミングを見計らってラランジャ豊川に顔を出す。 「特別、変わった気持ちではなく、昔と一緒のようにラランジャに行く。今は子どもたちとサッカーできることが楽しみですね。誰でも入れるクラブだったのが、今はセレクションをするようになったけれど、クラブの基盤となるサッカーを楽しむことは昔とまったく同じです。しかも僕らはとてもOBが来るチームなんですよ。だから友だちにも会えるしリラックスできる。Jリーグクラブの下部組織に進む選手もいるし、個のレベルが高く、愛知県でも有数のクラブになりました」 こうした感謝を胸に抱いて、菅原はAZデビュー戦直後、家族や宮沢代表、アンダー世代日本代表監督だった森山佳郎たちへの思いを約150文字で語ってくれたのだ。その感謝の思いは5年後の今も変わらぬまま。いや、むしろ強まっているのかもしれないと、インタビューを終えて感じた。 <文中敬称略> 取材・文●中田 徹
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