『Pokémon GO』の先へ! XR × 街で変わる未来:MUTEK.JP Pro Conference 2024レポート
地域に根ざしたメタバースとeスポーツの展開
一方、Meta Osakaは「大阪を世界一のおもろい街にする」というミッションを掲げ、さまざまな取り組みを展開しています。メタバース界の総合商社として、大阪のメタバースやeスポーツに関する相談窓口となることを目指し、地方自治体や企業とのコラボレーションを積極的に進めています。 毛利氏は、Meta Osakaのビジョンについて次のように語りました。 eスポーツとメタバースを切り口にすることでいろんな社会の課題解決ができると考えている。メタバースにはいろんな可能性があり、デジタルの技術をきっかけにしたリアルイベントでは、子供たちが作ったものをそのままバーチャル空間で再現し、それをゲームにすることで、子供たちが楽しめるだけじゃなく、大人も子供と一緒にゲームを楽しめる体験を作り出すことができる。(毛利氏) その具体例として、なんばパークスのバーチャル空間化が挙げられます。かつて大阪球場があったこの場所に建つこの商業施設を3D化し、その中でタイムアタックレースを開催。また、「未来の宝箱」イベントでは、子どもたちが作成したペーパーハウスをFortnite上に再現するなど、リアルとバーチャルを融合させた体験を提供しています。 毛利氏はこうしたイベントを通じて、「子供たちの憧れの職業となっているゲームクリエイターやeスポーツ選手という夢を実現できるきっかけを作りたい」と意気込みを語りました。 さらにMeta Osakaは、自治体と包括連携協定を結び、大人も子供も一緒に楽しめるeスポーツイベントを各地で展開しています。このような動きは大阪府全体へと広がりを見せており、2025年の「eスポーツオリンピック」でFortniteが射撃競技として採用されることが決定したことを受け、吉村知事は「大阪をeスポーツの聖地にする」と宣言。「大阪eスポーツラウンドテーブル(OeGG)」を設立し、eスポーツ施設の整備に取り組んでいます。 注目したいのは、彼らの手掛けたeスポーツ施設「eスタジアムなんば本店」が日本で初めて中学校の出席認定制度の対象となったこと。これにより、不登校の生徒がeスタジアムに通うことで出席として認められるため、現在、この取り組みは新しい教育支援の形として期待を集めています。