『Pokémon GO』の先へ! XR × 街で変わる未来:MUTEK.JP Pro Conference 2024レポート
空間コンピューティングと未来の街づくり
トークセッションでは、空間コンピューティング技術の今後についても議論が及びました。現在、MAWARIは現実空間に3Dをリアルタイムで配信できるサーバー技術の開発に取り組んでいます。この技術は空間コンピューティングのバックエンドを支えるものです。 谷田部氏は、近い将来の展望について次のように語ります。 今はインターネットもブラウザで見ていますが、今後はこの空間の中に3Dオブジェクトとしてリアルタイムで出てくるようになる。要は3Dインターネットがやってくる未来はそんなに先の話ではないということ。ただ、そのデバイスやサービスがまだそんなに普及していないので、一般的にはイベントごとにしか体験できない。だが今後はこういったものが当たり前になる。(谷田部氏) トークセッションの終盤で、各登壇者は今後の展望についても言及。白石氏は「XRを街中で展開するには行政との協力関係が不可欠だ。さまざまなステークホルダーを巻き込むことで、初めて多くの人が体験できるエンターテイメントになる」と指摘。毛利氏は「大阪の子どもたちがeスポーツオリンピックで活躍できるよう、強化選手育成プログラムの構築を進めていきたい」と語りました。 このように本セッションでは、XR体験の可能性を追求していく時代が、確実に到来しつつあることが示唆されました。Nianticの街全体を舞台としたAR体験の創出、Meta Osakaの地域に根ざしたeスポーツとメタバースの展開、そしてMAWARIのバックエンド技術の開発は、それぞれが補完し合いながら、新しい都市体験の可能性を広げています。 技術、行政、教育が連携することで、これまでにない形での社会課題の解決が可能になりつつあります。その意味で、本セッションは未来の街づくりの新たな指針を示すものとなったのではないでしょうか? 今後、新たなデバイスの普及とともに、これらの取り組みがどのように発展していくのか、引き続き注目していきたいところです。
Jun Fukunaga