冬に気をつけたい「ヒートショック」 浴室で命にかかわる事態になることも…予防する対策は?
気温が下がる冬に気をつけたいのが、急激な寒暖差により体調不良を引き起こす「ヒートショック」だ。中でも、入浴する際、リビングなどに比べて室温が低い、脱衣場や浴室に移動した時は、注意が必要だ。 【図解】週7回以上入浴すると、2回以下の場合と比べて3割低くなるリスクは?
血圧が乱高下
ヒートショックは、急激な温度差により血管が狭くなったり広くなったりし、血圧が乱高下する状態を言う。 入浴の際、暖房をきかせた部屋から室温が低い脱衣場に移動して服を脱ぐと、血管が縮んで血圧が上がる。心臓や脳への血流が滞ると心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞などを引き起こすリスクが高まる。 一方、その状態で浴室に入り、湯船につかると、今度は血管が広がり血圧が急降下する。湯船で意識を失い、溺死することもある。
食事や飲酒、服薬後の入浴は避ける
消費者庁は、冬になると高齢者が入浴中に不慮の溺水事故を起こすケースが増えるとし、注意を呼びかけている。(1)入浴前に脱衣所や浴室を暖める(2)湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にする(3)浴槽から急に立ち上がらない(4)食事や飲酒、服薬後の入浴は避ける(5)入浴前に同居する人に一声かける――ことが大切だとしている。