【40代・50代は注意!】タンパク質はとっているつもりでも、実はきちんと消化吸収できていない人が多い
消化酵素が不足すると、ほかにこんな問題も…
「消化酵素が不足すると、タンパク質が未消化のまま体内に取り込まれます。これらは体の原料やエネルギーの原料として使えない“異物”なので、炎症を起こしたり、アレルギーの原因になることも。 よかれと思ってせっせと食べているタンパク質が、体の栄養になっていないばかりか、アレルギーなどの原因になっていては意味がありません。 ですから、タンパク質は消化吸収を考えたうえでとることが大切なのです」
お腹の調子がいつも悪い人は、リーキーガット症候群の可能性も
また、肉があまり食べられなくなってきた人や、食事にかかわらずいつもお腹の調子がよくなかったり、つねにお腹が張っていたり、しょっちゅうおならが出るというような人は、もっと大きな問題が潜んでいる可能性もあるそう。 「このような症状がある人は、“リーキーガット症候群”である可能性もあります。リーキーガットとは直訳すると“漏れている腸”という意味です。小腸の上皮粘膜が炎症によって粗い網目のように緩んでしまっている状態です。 リーキーガットになると、タンパク質がいくつかのアミノ酸がつながったままの未消化の状態で取り込まれてしまいます。 これではいくらタンパク質をとっても体で使うことができないため、不足してしまう状況に陥ります。当然、消化酵素も胆汁酸も不足するので、肉を消化吸収する力もどんどん衰えます。 さらに、リーキーガットになると緩んだ腸粘膜の網目から未消化の食べ物や、外部の毒やウイルスなどさまざまなものが体に取り込まれてしまいます。 未消化物の食べ物が入ると、体はそれを排除しようとして抗体を作りますが、抗体はタンパク質に反応するため、肉や魚、卵、野菜や花粉など、さまざまなものにアレルギー反応を起こすようになります。 ですから、アレルギーがひどい人はリーキーガットになっている可能性があります」
小麦のグルテンや牛乳のカゼインが、リーキーガットの原因に
リーキーガットになってしまう原因は? 「特に未消化の食べ物になりやすいものが、小麦に含まれるグルテンと牛乳に含まれるカゼインです。 グルテンは小麦タンパク質のひとつでヒトの消化酵素では分解しにくい構造をしています。また、牛乳のタンパク質カゼインも同様です。 ですから日常的にパンや乳製品を食べていると、気づかないうちにリーキーガットになっている人は多いと考えられます」 ほかにカンジダ菌の増殖も原因のひとつ、と金津さん。 「カンジダ菌はもともと私たちの体にいる常在菌なのですが、病気やストレスなどで免疫力が下がると爆発的に増殖し、腸壁にバイオフィルムを形成します。これによって消化吸収力が落ち、リーキーガットの原因になるのです。 そのほか、過度のアルコールもリーキーガットの原因になります」