身長123cmの保育学生 「なんで小さいの?」子どもたちから向けられた疑問から得た気づき モデルとしても活躍する彼女について迫る
身体的特徴を活かしてモデルとして活動する女性がいます。身長123cmの大学生、星来(@seira_123cm)さんは、現在芸能事務所に所属しながら学生業と両立させています。 【写真5枚】低身長を生かした保育実習に取り組む星来さん(@seira_123cmさんより提供) 大学では医療保育を学ぶ彼女がモデルを目指したきっかけはなんだったのでしょうか。星来さんに話を聞きました。
もっと身近な存在に
2型コラーゲン異常症とは、同遺伝子の変異で発症するX線所見が類似した複数の疾患をまとめた疾患概念です。星来さんの詳しい疾患名は『先天性脊椎骨端異形成症』。 この疾患には低身長の人が多く、なかには目の異常、難聴、口蓋裂など、人によって様々な合併症も発症することがあるのだとか。同じ疾患でも別の診療科に通っている場合もあるなど、生活スタイルが大きく異なっているそうです。 星来さんがモデルを目指したのはSNSがきっかけでした。障がい者専門の芸能事務所『アクセシビューティーマネジメント』の所属モデルの活動の様子を初めて知ったときに、疾患があっても可愛い服を着たり、疾患がない人と同じように演技をしたり、多くの人に向けて自分の考えを発信したりできることに衝撃を受けました。 これは、星来さんがずっとやりたかったことで、無意識のうちにできないと決めつけてしまっていた活動だったそう。 幼いころから人前で活動をすることに憧れていた星来さん。しかし、身長制限のため、モデルのオーディションに応募さえできない、周りと動きが合わせられるとは限らないなどの理由で、ダンスを習うことをも諦めていました。 そんな経緯のなかで、アクセシビューティーマネジメントは星来さんの夢への道を切り開く場所になりました。 「この場所で『たくさんの人に障がいをもっと身近に感じてもらえるような活動がしたい!』と思い、モデルを目指し始めました」
入院中の出会いが医療保育を学ぶきっかけに
小学6年生のとき、入院を経験した星来さん。そこで出会った入院中の子どもと遊び、子どもの家族の精神的なサポートをする医療保育を行う保育士さんに憧れを持ちました。 このことがきっかけで、星来さんは医療保育を学ぶことができる大学に入学。 しかし、大学1年生のときにアクセシビューティーマネジメントに出会い、考え方が変化します。 「事務所に所属したり、SNSを始めたりしたことで、たとえ間接的であるとしても、1人でも多くの方の障がい者に対する価値観をアップデートすることに、強い魅力を感じました。現在大学卒業後の進路については検討中ですが、メディア、マスコミ関連の仕事を視野に入れています。とはいえ、インクルーシブな社会を実現するためには、幼児期からの教育がとても大切だと考えています。大学で保育学や教育学について学び、保育士資格と幼稚園教諭一種免許状を取得する予定です。そこで手に入れた知識を活かして、園や学校などで講演を行い、子どもにも障がいを身近に感じてもらえるような活動がしたいです」と、将来の夢について語ってくれました。 保育実習中、子どもから「なんで小さいの?」と聞かれたという星来さん。このことについては自身のSNSでも発信しています。 「子どもの純粋な好奇心から生まれた質問だと思うので、さほど嫌な気はしなかったです。この質問に対して『病気があって小さいんだよ』と伝え、そのあとに受ける『いつから小さいの?』『何歳なの?』という質問にも丁寧に嘘をつかずに答えると『小さい先生は子ども用の遊具で一緒に遊べる!』と、先生として私の存在を受け入れてくれました」 しかし、他の業務に追われ最後まで子どもへの説明ができないと「小さい先生は嫌だ!」と毛嫌いされたんだとか。このことから、丁寧に疑問に答えることは子どもたちが障がい者を自然に受け入れることにつながると星来さんは感じました。