「ケイセイを勉強のために投入するのは…」親友・河村勇輝はNBAデビューも…富永啓生なぜGリーグで苦戦? 出場機会を与えないコーチの真意
「勉強のために投入するのは難しくなっている」
チームが好調ならばまた雰囲気は違うのかもしれないが、マッドアンツはGリーグで現在7勝9敗と苦しんでいる。ハンキンスHCは起用法に関して苦しい胸の内も明かしており、そこで富永の足りない部分が改めて炙り出されている印象もある。 「ケイセイがより大きく、強く、速い選手たちに追いつくためには経験が必要だ。ただ、現状では私たちが7、8分の間、ケイセイを勉強のためにコートに投入するのは難しくなっている。その短い時間で相手に6~8点くらいアウトスコアされ、ケイセイのミスがその一因になっているとしたら、彼をコートには残し難い。私たちがもっと優れたチームであれば、彼に多少のミスがあっても経験を積ませるためにプレーさせる余裕があるのだろうが。これはケイセイだけの問題ではないんだ」 もちろん富永のプロキャリアはまだ始まったばかりである。本人はネブラスカ大よりも厳しいプレー環境(「ネブラスカの時はチャーターフライトでしたが、今は5時間以内であれば全部バス移動なのですごく大変ですね」)や、Gリーグのプレースタイル(「大学と一番違うのはみんなが得点取りたいから、個人プレーに走ることが多くなってくる」)への適応の難しさにも言及していた。やはり慣れは必要であり、時間が解決してくれることも少なからずあるのだろう。 コート内外で決して器用なタイプではない富永は、ネブラスカ大時代も1年ごとにパフォーマンスの質を上げていった。プロでも同じことが起こっても不思議はなく、見限るのは早すぎる。今季中盤戦以降の向上が期待される中で、ウィンターショウケースでは心を許せる親友である河村と再会し、リラックスできたことはいい気分転換にもなったはずだ。 「昨日も今日も一緒にご飯食べました。ホテルも一緒なんで、富永の部屋に行ってずっといろんなことを話せました。元気そうでよかったです」 フロリダで4日間を富永とともに過ごした河村も、思った以上に明るい盟友の笑顔に安堵した様子だった。 ただ……すべてのあとで、富永の行く手には容易ではない道が待ち受けているのは間違いない。特に目標をGリーグでの主力定着だけではなく、そのさらに上(=NBA)に据えるのであればなおさら。前述した通り、サイズ面のマイナスをカバーするには相当な努力が必要なことは、ハンキンスHCのこんな言葉からも明らかだ。 「Gリーグ、NBAでやっていく上で問題になるのは、ケイセイのようなサイズの選手は本来みんなPGだということ。ボールをさばき、オフェンスを統率する選手たちだ。だが、ケイセイはシューティングガード(SG)。サイズ的に同等のSGとしてNBAにはセス・カリーがいる(カリー185cm、富永188cm)。カリーはベンチ登場のシューターだが、ディフェンスで弱点にならないだけの強さがある。ケイセイも同じように守備面で大きく向上し、サイズ、スピードの不足がチームに影響を与えないようにしなければいけない」
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