意外と知らない「口臭問題」。歯科医に聞いた「歯みがきに必要な時間は3分ではなく最低5分」
――歯みがきで気をつけるべきことはありますか? 「歯みがきをしていても、汚れや歯こうが残りやすい、つきやすい場所というのがあります。それが、(1)歯と歯の間、(2)歯と歯ぐきの境目、(3)奥歯の食べものを噛むときに使う面の溝、です。この3カ所は特に意識してみがきましょう。力加減は、歯の面に歯ブラシをまっ直ぐに当てた時、毛先が寝ない程度。歯間ブラシやフロスを併用するとベストです。 1回の歯みがきにかける時間も目安になります。丁寧にみがけば3分はかかると報告されていますが、私の体感で言えば、歯間ブラシやフロスの時間まで入れるのであれば、5分は必要です。 ちなみに、歯間ブラシが歯と歯の間に入らないのであれば、無理に入れると歯ぐきを傷つけ、歯ぐきが下がる原因になるので、フロスを使いましょう。奥歯は歯間ブラシ、前歯はフロスと使い分けるのもいいと思います」
――歯周病対策だけでなく、歯の美白も同時にしたい場合はどうしたらいいですか? 「すでに歯周病のある人は、何よりも歯周病を治療することが先決。歯周病がない人なら、朝は美白系の歯みがき粉&マウスウォッシュを使って美白ケアを、夜は歯周病ケアの歯みがき粉&マウスウォッシュを使って歯周病予防をするのがオススメです。歯周病菌は、就寝中、口の中が乾いているときに増えやすいので、夜は歯周病ケアを優先してください」 ――では、夜に歯みがきの習慣がなくて歯周病が進んでいる人は、いくら毎朝人に会う直前にしっかりみがいたとしても、口臭がある可能性が高い……! 「そういうこともあり得ますね。ただ、前回の記事でもお話したように、食後すぐの歯みがきが大切なので、夜ごはんを食べたあと歯をみがき、その後何も飲み食いしないようであれば、就寝前はマウスウォッシュだけでもOKです」 ――舌みがきについてはどうですか? 「舌をみがいたほうがいい」「舌が傷つくからみがかないほうがいい」というどちらの論調も見かけます。 「舌の汚れも口臭の大きな原因です。ですが、舌苔が全くない人はいません。舌の上に薄く白や黄白色の苔があるような、生理的な範囲内ならみがく必要はありませんが、それを超えるのであればみがく必要があると考えればいいでしょう」