「頭が悪いから」「もう年だから」は関係ない…「東大卒記憶王」が伝授する“物忘れ”の解決法
勉強に苦戦しているとき、数字やアルファベットに拒否反応が出るとき、名前や顔を思い出せないときに、「頭が悪いから」「もう年だから」と思ったことはありませんか? 記憶力は、年齢や才能に関係なく誰でも高められるスキルです。「記憶力が良かったらなぁ」と諦める前に、これから紹介する方法を一度試してみてください。 記憶に関する最新の研究論文や勉強・仕事・日常生活に効果的な記憶法などを100Tipsに厳選して紹介した、東大卒記憶力日本チャンピオン・青木健さんの著書『東大式 記憶力超大全』より一部抜粋・再構成してお届けします。
■年を取ると記憶力が低下するのか? 「最近、年を取って記憶力が低下したなぁ」「年のせいで物覚えが悪いから、資格試験の勉強がとてもつらい」と誰かが言っているのを聞いたり、または自分で感じたりした経験のある方も多いのではないでしょうか。 果たして年を取ると、記憶力は本当に低下するのでしょうか? また、記憶力が低下する要因はなんなのでしょうか? 改善の余地や暗記を楽にする手段などはないのでしょうか……? 高齢ドライバーの高速道路の逆走やブレーキとアクセルの踏み間違い、東京・池袋で起こった凄惨な暴走事故など、反射神経や運動神経は年を取ると大きく低下することはわかっています。
しかし、「記憶力はそこまで大きく低下しない」といわれています。ロンドン大学のマグワイアー氏が、「脳の海馬の神経細胞は年を取っても増える場合がある」と発表しました。タクシー運転手の脳を調べる実験で、記憶に大きく関わる部位である「海馬」が一般人よりも大きく発達していることがわかったのです。歴の長いベテランの運転手ほど、その発達の度合いは大きく、中には海馬が約3%も増えている人もいたそうです。 若いころと比べ記憶力が落ちたと感じやすい原因の一つは、時間軸が違うことです。例えば、小学生のころを思い浮かべてください。小学校の6年間は、永遠に続くかのように感じられたでしょう。たった1カ月ほどの夏休みも、毎日楽しいにもかかわらず、とても長く感じたのではないでしょうか。