【40代・50代は知っておきたい】外出時の災害から身を護るために、国際災害レスキューナースが「防災ポーチ」に入れているもの
外出先で大地震などの災害が起きたとき、真っ先に家を目指すのは危険。その場にとどまり、ひとまず安全が確保できるまでの時間を乗り切るために、防災グッズを常にバッグに入れておこう。どんなグッズを用意しておくとよいか、防災に詳しい国際災害レスキューナースの辻直美さんに聞いた。
災害が起きたらその場にとどまる! すぐに帰宅するのは危険
職場やレジャーに行った先で、もしも大きな地震が起きたら? 多くの人は真っ先に家を目指すのではないだろううか? 「それはやめてください。二次災害、三次災害の恐れがあります」と、多くの災害の現場を見てきた辻直美さん。 「東日本大震災が起きたとき、災害発生時刻が昼間だったこともあり、首都圏などでは勤めに出ている人たちが家に帰ろうと道路は大渋滞でした。 大勢の人が一斉に移動を始めると、とんでもなく混雑・混乱します。2022年10月、ハロウィン時季の韓国・ソウルの梨泰院(イテウォン)での雑踏事故を覚えている方も多いと思いますが、あれと同じことが起こり得るのです。 東京都では『東京都帰宅困難者対策条例』を制定し、『STAY for SAFETY』として、一斉帰宅の抑制を呼びかけています。また企業には、防災備蓄の努力義務として、被災時に労働者を守るために食料や水など従業員数×3日分の備蓄を指定しています。 でも自分に何が必要かなど、細かいことは自分にしか分かりません。だからこそ、いつどこで被災してもひとまずの時間を乗り切れるように、自分仕様の防災グッズを常にバッグに入れて持ち歩く必要があるのです」
トイレ待ちが7時間!? 東京都の「災害シナリオ」をチェックしてみよう
東京都は一昨年、首都直下地震の発生を想定した「災害シナリオ」を発表。 「災害シナリオ」とは、巨大地震発生直後から15分後、30分後、1時間後、1日後…と発生から1カ月までの間に起こり得る出来事を、細かく時系列でまとめたもの。大災害が起きるとどのような状況になるのかが記されている。 「これによると、災害発生から3~6時間後には多くの人が家を目指し、途中のコンビニでトイレを借りようとする。そのときの待ち時間は7時間となっています。 7時間も待てますか? とても無理ですよね。だから『携帯用トイレはひとつ持っておこう』など、外出用の防災グッズとして最低限何が必要なのかをイメージすることができます。災害を具体的にイメージできないと、何を持っておけばいいのかわからず、何でもかんでも必要に思えて防災グッズが増え、重たくなって結局持ち歩かなくなる…となりがちです。 『災害シナリオ』を参考にして、すぐに必要なものは何か、3日後に何を使いそうか、などを考えながら、まずは自分に必要と思えるものから用意してみるといいでしょう」