世界幸福度ランキング1位・フィンランドの高校生が受ける授業が面白い!スマホと広告、過剰な消費への問題提起…「良い人生って何だろう?」
◆短いアニメを視聴する 続いて短いアニメを見た。スマホと広告、過剰な消費、搾取がテーマだ。 都会に住み、広告が誘うまま次々と最新モデルのスマホに買い換え、少し古くなったモデルをポイ捨てする白人男性を描く音声のないアニメだ。 終わりに、アフリカでスマホの原料に使われる鉱石を手で掘る人たちの映像が出る。手袋や作業着などはつけておらず、そこには子どもも交じっていた。 国名は特定されていなかったが、例えばコンゴで、こうした労働がされていることは報じられている。 見終わると先生は、スマホはどの程度必要か、私たちが必要と思うものはどこから生まれるのか、そこにはどんな問題があるかなど、アニメをまとめながら問いかけた。 続く2度目のグループの話し合いでは、良い人生に必要なものを5つに減らして発表した。 少し説明を加えると、フィンランドでは、小学生でもほぼ全員がスマホを持っている。また、デジタル化が進んでいて、18歳以上の大人にとってスマホは身分証明や電子署名の方法としても欠かせない。 しかし、過度なスマホ使用の弊害は認識されていて、しばしばメディアでも取り上げられる。 この授業の視点は、広告が際限なく消費の欲望を刺激すること、スマホ産業のためにアフリカの人たちが悪条件で働き、搾取されていることである。 続いて、ティーリカイネン先生は「良い人生」についての6つの考え方をパワーポイントで示した。
◆「良い人生」を考える6つのポイント 1.ギリシャの哲学者エピクロス 良い人生のためには、衣食住などのニーズが満たされていることが必要になるが、ニーズを次の3つに分けた。 a.自然かつ必然なもの、食べ物。 b.自然だが、必然ではないもの、セックス。セックスなしでも生きられるが、繁殖しないと人類はいなくなる。 c.自然でも必然でもないもの、化粧。化粧を好む文化は多いが、なくても困らない。 2.世界人権宣言 世界人権宣言は、1948年に国連総会で採択された人権宣言である。 日本的な感覚では、なぜ「良い人生」と人権が結びつくのか、わかりにくいかもしれないが、人権なくして良い人生はない。 3.宗教とスピリチュアルなアプローチ 生きていく途上で、人は様々な迷いや悩み、苦しみを持つ。歴史的には宗教が救済を与えてきた。また、最近はスピリチュアルなものへの関心が高まっている。