ジョンロブのスバ抜けた職人技に舌を巻く…。高額だけど唯一無二な名作イヤーモデルを追懐する
毎年、恐ろしいほどの職人技が盛り込まれています!
布教のために靴職人として生計を立てたクレパンとクレピニヤン兄弟(双子)が迫害によって殉教した10月25日のことをサンクレパン(サンクリスピンのほうが馴染みがあるかも)といいます。そして、この聖名祝日を記念して、1996年よりイヤーモデルをリリースしてきたのがジョンロブです。 ジョンロブの名作イヤーモデルを一気に見る! 先ごろリリースした「ALEXANDER(アレキサンダー)」も話題を集めたということで、第204弾ではジョンロブの歴代イヤーモデルをピックアップしたいと思います。 ジョンロブは、1829年生まれの創業者ジョン・ロブ(John Lobb)が、1866年にロンドンのリージェント ストリートにビスポークを専門とする靴の工房を開くことでスタート。 このジョン・ロブ氏、実は1850年代にはオーストラリアにて鉱夫用のブーツを作ることで靴職人として名を馳せ、帰国後の1862年には英国万国博覧会で金賞を受賞。その翌年1863年、つまりロンドンで工房をスタートさせる3年前には 既にロイヤルワラントの称号を獲得しています。 現在は エディンバラ公と、チャールズ皇太子によるプリンスオブウェールズの2つを授与されていますが、かつてはエリザベス女王からも授与されるなど各時代の王室を筆頭に、上流階級の方々に愛され続けるわけです。 2代目となるウィリアム・ロブ(William Lobb)が 満を辞してパリに進出するんですが、その後 経営難に陥ってしまいます…。しかし、1976年には職人の技術力や質の高さに惚れ込んだ あのエルメスが閉鎖寸前だったパリの店と商標権を買い取り、エルメス傘下に。 1981年には、エルメスの指導により既製靴のラインをスタートさせ、これが「ジョンロブ・パリ」となります。既製靴として販売されているジョンロブは、このジョンロブ・パリを指しており、ビスポークシューズ(注文靴)専門の店としてロンドンのセントジェームス ストリートで創業家によって経営されている「ジョンロブ・ロンドン」とは異なるんですね。 ちなみに、「ジョンロブ・パリ」にもビスポークのラインがあるので、これまた ややこしいのですが…、そんな話は また別の機会に。