“過去最多”の倒産数…肉の価格上昇に立ち向かう、焼き肉店の経営努力とは?
日本の焼き肉店が今、ピンチを迎えている。円安による輸入牛肉の価格高騰の影響で、焼き肉店の倒産件数は“過去最多”を記録。各地の焼き肉店では、苦境を乗り越えるべく様々な経営努力が行われていた。
過去最多のペースで焼き肉店が倒産
東海地方を中心に店舗を展開する『肉のよいち』。厚切りや中落ちなど牛タン一本を楽しめるメニューや、こだわりの米にあわせる“白米専用カルビ”などがオススメの人気店だ。 香ばしい匂いに食欲がそそられる「焼き肉」。しかし今、日本の「焼き肉」にある異変が起きているのだ。
帝国データバンクによると、全国の焼き肉店の倒産件数は、2023年は1年間で22件。しかし、2024年は上半期で20件を記録、過去最多のペースで焼き肉店が倒産しているのだ。 “換気がいい”というイメージから、コロナ禍でも出店が相次いだ焼き肉店。顧客の獲得競争が激化していることに加え、大きな要因となっているのが、「円安」による輸入牛肉の価格高騰だ。
愛知県を中心に展開する『煙力』。ほとんどの客が注文するという「タン」が人気を集める焼き肉店だが、使用している肉の5割が外国産。「円安」の影響が直撃していた。
タンの1㎏あたりの仕入れ価格は、去年と比べ、1,500円もアップ。『煙力』運営会社の山北真司さんは、「(タンは)1㎏で去年であれば4,300円、今年であれば5,800円ほどという感じ」と現状を明かす。
農畜産業振興機構によると、アメリカ産牛肉(ショートプレート)の1㎏あたりの卸売価格は上昇。去年5月は877円だったが、今年5月には1,436円にまで値上がりしていた。
肉が買えない!? 牛肉を巡る“日本の買い負け”
値上がりの原因について、『肉のよいち』の柳瀬雅斗社長が挙げたのは、日本の“買い負け”。「他の国が韓国とか中国とかも、アメリカの牛肉を買い占めている。取り合いしてるので、(価格が)上がっていくという感じです」と話す。 アメリカ産牛肉における“買い負け”。日本の焼き肉店で一体、何が起きているのか。