早期退職の募集を停止 三重県、人手不足が深刻化
三重県が11年前から続けてきた早期退職者の募集を本年度は実施しない方針を固めたことが21日、県への取材で分かった。相次ぐ若手の退職や採用難など、人材確保の課題が深刻化していることが理由。20日付で全職員に通知した。 県によると、早期退職者の募集は平成25年度から実施してきた。募集の対象は行政職の場合で勤続20年以上かつ45歳以上の職員。毎年12月上旬から1月中旬にかけて募っていた。 50代が多いという職員の年齢構成を平準化させることが募集の目的。早期退職に応じると、退職手当が上乗せされるメリットがある。毎年度、40人前後の職員が応募していたという。 一方、県は人材確保の課題が深刻化していることを受け、本年度は早期退職者の募集を見送ることにした。若手の自己都合退職が増加傾向にある中で、行政サービスを維持する狙いがある。 採用難の事情も踏まえた。本年度の職員採用試験(大卒程度)に申し込んだのは503人で、平成8年度(1633人)から7割の減少。倍率も過去最低の2・2倍にとどまった。 人事課は募集を見送る理由について「年齢構成の偏りが解消されたわけではないが、それ以上に人材確保の課題が深刻」と説明。「定年まで安心して働いてもらえるようにしたい」としている。