「洗濯してしまったから」岐阜県職員が食券偽造 印刷日時同じで発覚、停職4カ月の懲戒処分
岐阜県は22日、県庁の食堂で偽造した食券を複数回使用したとして、県砂防課の男性課長(50)を停職4カ月の懲戒処分にした。県の聞き取りに「ワイシャツの胸ポケットに入れたまま洗濯してしまった分を取り戻そうと考えた」と説明している。 県によると、課長は昨年6~7月に自宅の複合機のコピー機能を使って10枚つづりになっている1枚490円分の回数券を5枚ほど偽造し、数枚を食堂で使用。今年2月にも1枚を偽造し、同5日に使用して食事を取った。 運営を委託されている事業者は昨年7月、不自然に小さかったりミシン目がなかったりする偽造された食券が混じっているのに気付き、翌日に偽造食券と同じ日時に発行された食券を使う人がいないか警戒。スタッフが課長を見つけて声をかけたが、課長は「分からない」と否定したという。 今年2月5日に再び偽造食券が見つかったため、翌日にスタッフが警戒していたところ、課長が偽造食券と同じ日時に発行された食券を使った。食事後に声をかけたが課長が再び否定したことから、事業者が岐阜南署に被害届を出した。 署は3月、偽造有価証券行使と詐欺の疑いで課長から事情を聴き、県庁舎を家宅捜索した。課長は同月に偽造した6枚分の食券を改めて購入して事業者に弁済。その後、書類送検されたが、岐阜地検は11月8日付で不起訴(起訴猶予)処分にしたという。
岐阜新聞社