全編iPhoneで撮影されたApple制作のムービーに主演。賀来賢人が“画期的”だと思ったのは?
俳優の賀来賢人さんが、全編iPhoneで撮影されたApple制作のショートムービー『Midnight(ミッドナイト)』に主演した。原作は手塚治虫の隠れた名作。監督は敬愛する三池崇史氏。はたしてどんな撮影が行われたのか? PEOPLE NOW
『TOKYO MER』で演じた医系技官に代表されるシリアスな人物から、持ち前のコメディセンスを存分に発揮したユニークな役柄まで、あらゆる役を独自の色で染め上げ、見る人の心を放さない俳優・賀来賢人さんが、手塚治虫のマンガ原作を実写化したショートムービー『Midnight(ミッドナイト)』(Apple制作/3月7日~YouTubeなどで公開)で主演のミッドナイト(三戸真也/みと・しんや)役を演じています。 今回の映画は、世界各国で実施されているiPhoneのみを使って写真や映画を撮影するAppleの「Shot on iPhone」の日本発の企画で、映像化を手掛けたのは巨匠・三池崇史監督。東京の夜の街並みのきらびやかな風景やド迫力のカーアクションシーンを始め、全編が最新の「iPhone 15 Pro Max」で撮影されています。 賀来さんにとっても初体験となったiPhoneによる映画撮影や作品のこと、そして年々表現の幅を広げているご自身の活動について伺いました。
え、『ミッドナイト』、私知ってるよ。もぐりのタクシーの話でしょ?
── 『ブラック・ジャック』や『火の鳥』、『アドルフに告ぐ』など、手塚作品の多くは賀来さんが生まれる前に描かれた作品ですが、これまで手塚治虫さんの作品に触れる機会はありましたか? 賀来賢人さん(以下、賀来) 僕自身はもともとあまり読む機会がなかったのですが、妻がマンガ好きで、手塚さんの作品も好きで複数持っていて。それがきっかけで『火の鳥』を手に取ったのが最初です。 手塚さんのマンガは、ひとつの作品の中にいろんなテーマが入ってるイメージで、特に『火の鳥』はメッセージ性のとても強い作品。壮大なエンタメの中に生命にまつわる概念や、手塚さんの深い思いが込められているなと感じました。 ── ではミッドナイト役のオファーがあった時は縁を感じたのではないですか? 賀来 ただ、その時点で僕は『ミッドナイト』という作品を知らなくて、そこから原作を読んだんです。無免許の深夜タクシー運転手・ミッドナイトが、乗客とともにさまざまな出来事に遭遇する話ですが、主人公のキャラクターも魅力的だし面白かったですね。 一方で彼は、過去に恋人を衝突事故に巻き込んだことによる悲しいバックボーンを背負っていて……。今回の映画では描かれない部分ですが、最後まで読むと、恋人との結末の描き方がエッジが効いているというか、かなり強烈で。すごい終わらせ方をするマンガだな、という印象は強かったです。