全編iPhoneで撮影されたApple制作のムービーに主演。賀来賢人が“画期的”だと思ったのは?
── 映画では、ミッドナイトが“分身”ともいえるクルマで夜の歌舞伎町を駆け抜けたり、カーチェイスのシーンもありますが、実際の撮影はいかがでしたか? 賀来 僕が全部実際に乗ったわけではないのですが、歌舞伎町の雑踏の中を駆け抜けるシーンのガチンコ感はワクワクしました。ミッドナイトのクルマが超高速で走るクライマックスでは、車体の下から“第5の車輪”が出てきますが、そのシーンはジェットコースターに乗っているような感覚でドヤ顔で操縦しています(笑)。 今回は全編iPhoneで撮影されたので、カーチェイスのシーンでは最新のドローンを使い、クルマとクルマの間の際っきわをカメラがキューン! と抜けるカットもあってすごい迫力でした。 そんな今まで撮影したことのないシチュエーションも含めて、『Midnight』という世界観の異質な感じが面白いですし、途中、大アクションもあって、17分の映像に“全部載せ”した作品だなと思います。 ── 映画をiPhoneで撮影されるというのは、役者さんにとってはどういう体験でしたか? 賀来 役者は基本、撮られていることを気にしないようにする意識があるし、どこから撮られてもいいように演じているので、撮られる側としての感覚はそれほど変わらないです。ただ、カメラがどこにでも入れるというのは画期的でした。iPhoneであれば小さいので、クルマの外側や内側だけでなく足元にも設置できる。撮れるアングルのレンジ(範囲)が広いのは魅力的ですよね。 今回はブレーキの真横にもカメラがあって、「iPhoneを踏まないようにしなきゃ!」というのは少し緊張しましたけど(笑)。それに、役者側の意識はさほど変わらなくても、技術側のスタッフさんができることは格段に増えたと思います。 ── ご自身は普段iPhoneでどのような写真や動画を撮っていますか? 使用しての感想を教えてください。 賀来 僕は動画を撮ることが多いです。子供が踊っているところを「15 Pro Max」で撮ってみたのですが、フォーカス具合が抜群でホントにぶれないんだな! と思いました。 これから映像をつくりたいという人たちは、カメラを買わなくてもiPhoneで映画が撮れちゃうわけで。カラーグレーディング機能も使えば、かなりクオリティの高い映像が撮れると思うので、今後の映像業界の幅が広がりそうですよね。 僕自身も、映像作品にクリエイターとして携わる時に、ロケハンに行って動画コンテをiPhoneで撮るのは手だと思いますし。実際、映像の現場でも、自然とiPhone、iPadはスタッフの必需品になっていて、現場がどんどんデジタルになっているなと感じます。