環境保全がビジネスに...いきものと触れ合いながら環境に貢献できるアプリを開発!!生物多様性の保全を社会の当然にする
生物多様性の保護が、どうやってビジネスに?
藤木さん「バイオームのキャッシュポイントの構造は結構複雑だと思います。アプリの“Biome(バイオーム)”自体は完全無料で、広告なしで運営しています。 また、私たちは“環境保全にまつわる事業”しか受けないと決めています。 その上で私たちが持っている資産には、“Biome(バイオーム)”のアプリやデータ、それらを解析できる技術があると思っています。これらを組み合わせていろいろな商品を提供しています。
例えば、外来種を駆除するためのシステムがあります。 外来種の新規発見情報が上がってきたら、すぐにそれを通知して駆除の業者を呼ぶ“駆除外来種防除システム”に転換して、自治体向けに販売することをやっていっています。 企業が自然に対する影響を開示しなくちゃいけないという世の中になってきたことで、ここ最近の1~2年は潮目が変わってきたとも感じています。 この影響からある企業が環境への影響を公にしたくても『どうやって自分の事業を評価すればいいかわからない』という課題が増えてきました。 そういった企業に自然への影響を評価しながら、対応などを提案する基礎データプロファイリングみたいなこともしています。 そういったことを組み合わせて現在では30以上のラインナップがあり、社員を47人ほど抱えながら、黒字化してビジネスとして成り立つものになってきたかなと思っています」
サービス開発に至った原点とは?
藤木さん「幼少期から生き物が好きな方でした。夏休みはほぼ毎日釣りにいくくらい、釣りが大好きでした。 幼少期の頃は生き物や生態系のことは全然わからなかったですけど、釣りをしているとフナを釣ろうと思って行ったら、いわゆるブルーギルという外来の生物が非常に釣れるようになりました。 自分の縄張りにしていた池とかで、いつの間にかいつもの魚がいなくなっちゃったみたいなことを何度も経験していくようになったんです。 それで日本にいなかった魚が非常に増えていると肌で感じるようになりました。その体験がきっかけで生態系を外来生物が脅かしているというのがわかって『怖いな』と思ったんです。 小学生の頃ですけど、 強い生態系とそれを保全することにも興味と使命感みたいなものを感じるようになって、最初は研究者として生態系の研究をしていくことを目指して大学に入りました。 大学の研究時代には、ボルネオ島に野宿して生物の調査をするという生活を累計2年以上していました。 当時は生物多様性をデータで評価するとか、数字でちゃんと評価できるようにしていくことが大事だと思って、 生物多様性の定量化技術・可視化技術の開発みたいなことをテーマに研究をしていました。 ボルネオ島をずっと回ってる中で、素晴らしいジャングルがあるエリアなんですけど、一方でめちゃくちゃ環境破壊が大規模に起こっているエリアでもあったんです。荒れ果ててという場所がいっぱいあったんですね。 木を全部切り倒しちゃって、 もう360度地平線が見えるので、木が1つも残ってないみたいなエリアが実は結構な部分を占めていました。 ボロボロになっているような現場を何度も何度も見て、木が無いんで調査どころでもないと途方にくれる感じです。 木を切り倒す理由は木材生産とかいろいろあるのですが、パームオイルのために伐採されていることが一番多いです。 『どうやったら生物多様性の破壊を防げるんだろう』と考えてたんですけど、やはり現地の人たちはそれで生きているんです。 お金を稼いでいくというロジックがやはり最強で、人が生きていく人の欲の源みたいな物を全て網羅しているなと、お金が儲かるから環境が破壊されるというシンプルな重要性を再認識させられたんです」
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