注目球児が豊富な神宮大会が閉幕。横浜高が松坂以来27年ぶりの頂点に
神宮大会初出場で決勝進出するも中国勢初優勝逃す
横浜高校の優勝が大々的に取り上げられる一方で、神宮大会初出場で決勝まで駒を進め、惜しくも準優勝となった広島商業高校も忘れてはならない。甲子園春夏通算7回の優勝を誇る強豪校として知られているが、神宮大会は意外にも初出場だった。 広島商業は、初戦の東海大札幌で神宮初勝利を挙げた。準決勝では強豪の敦賀気比を相手に苦戦を強いられた。7回まで5―0とリードしていたが、8、9回と失点を許し土壇場で同点に追いつかれた。9回までで既に152球を投じていたエース大宗和響投手(2年)だったが、味方のミスにも動じずチームの勝利のために腕を振り続ける姿は頼もしかった。タイブレーク延長10回表に味方が3点を奪うも、その裏に3点返され、10回184球でマウンドを降りたが、エースの熱投はチームを奮い立たせた。次の回に味方がまたしても3点を奪い、神宮大会初出場で初の決勝進出を果たした。 決勝戦では、左腕・徳永啓人投手(2年)、右腕・沖村颯大投手(2年)、左腕・片岡虎士投手(1年)の3投手の継投で優勝最有力の横浜打線を苦しめたが、あと一歩及ばなかった。大宗だけでなく、決勝で投げた3投手の実力も高く、来年の勝ち上がりにも期待がかかる。
名将率いる東洋大姫路の大躍進に注目
横浜を最も苦しめたと言っても過言ではない、東洋大姫路。同校は、履正社高校で監督を務め、2022年4月より母校の監督に就任した岡田龍生氏が指揮を執る。就任3年で近畿大会を制するほどにチームを仕上げ、来春の選抜高校野球出場をほぼ確実にし、明治神宮大会への出場権も手にした。名監督の起用がチームの躍進に大きな影響を与えていることはいうまでもないだろう。 東洋大姫路の躍進を支える存在として、最速147キロの速球を誇るプロ注目の右腕・阪下蓮(2年)が挙げられる。準決勝の横浜戦では、力強いストレートで打者を差し込み、粘りのピッチングで9回まで1失点にまとめてみせた。その後の延長11回タイブレークで2点を許し、準決勝敗退となった。好投を続けていただけに、タイブレークで決着をつけるのは惜しいと感じる試合だった。春夏甲子園の優勝候補に上がってくることは間違いなく、甲子園の大舞台で今秋のリベンジを果たしてもらいたい。