公開練習で大勢のカメラマンに囲まれてサンドバッグをたたく井上尚弥（撮影・堀内翔）

　「ボクシング・４団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」（９月３日、有明アリーナ） 【写真】シャドーボクシングで引き締まった表情　調整が順調なのがうかがえる 　ボクシングの世界スーパーバンタム級４団体統一王者の井上尚弥が２１日、横浜市内の大橋ジムで、元ＩＢＦ同級王者のＴＪ・ドヘニーの挑戦を受ける防衛戦へ公開練習と記者会見を行った。ＷＢＣとＷＢＯは３度目、ＷＢＡとＩＢＦは２度目となる防衛戦に向け、過去最高の仕上がりを予感している尚弥は「判定で勝とうなんていう気はさらさらない」とＫＯ勝利を自らに義務づけ。悪童ルイス・ネリ（メキシコ）をＫＯした歴史的な５・６東京ドーム決戦を経て、さらに進化した姿を見せることを誓った。 　尚弥は１７日、Ｘ（旧ツイッター）に「本当に過去一の仕上がりになるかもしれない」と投稿した。この日はここまでの練習に対して「イメージ通りに動くことができているので、調子としてはすごく良く仕上がっていると思う」と絶好調宣言しつつ『過去一』の意味するところを「スーパーバンタムで４戦目というところで、一番フィットしてるんじゃないかな」と説明した。 　また、１４日にはＸに「今の時期での体つきが違うように見える」と投稿しており、これについても「筋量的には少し増しているのかな」と話した。公開練習では、体つきが大きくなったのではないか？という声が続出し、大橋秀行会長も「体は本当に全然違う。スーパーバンタムの体になってきた。本当に筋肉の質が違うというか」と認めた。 　今回のキャッチコピーは『井上尚弥はまだ完成していない』だが、尚弥は「まだまだ進化した姿を見せられるというところも楽しみにしていただければ」と、さらなる進化を予告。東京ドーム決戦を、自身にとっても大橋ジムにとっても「歴史的な日になった」としつつも「そこで燃え尽きるのではなくてこの先、加速させていく一つとして捉えている」と、推進力へと変えている。 　ドヘニーには、スパーリングパートナーのラミドや同門の中嶋一輝がＫＯされているだけに、陣営に油断はない。尚弥は「ドヘニーがやるべきことは分かっているし、集中しながら、一発だけは気をつけながら試合を運んでいきたい」と展開を描いた。そして「判定決着は許されない。流れをしっかり作って、仕留めるべき瞬間に仕留められるのがベスト」と、ＫＯ勝利を誓っていた。