「全国に緊急事態宣言」を提案 「いままでの政策、誰も聞いてくれない」 東京都医師会・尾崎会長
東京都医師会の尾崎治夫会長は13日、記者会見し、「あと1か月頑張ってもらえば、感染者が減る可能性が出てくるはずだから、こういう政策をとる。こうしたはっきりした出口戦略を示していただきたい」と政府に求めた。47都道府県のほとんどで実効再生産数(1人の患者が何人に感染させるか)が1を超えているとしたうえで、全国に緊急事態宣言を出すなどの措置が必要との認識を示した。 【動画】東京都医師会が緊急会見 「全国的な緊急事態宣言」提案
尾崎会長は「いまの医療機関、病院、診療所、現状は大変な状況になっている。色んな協力要請を医療機関にしているが、本当にいまは手いっぱい。ワクチンは打たないといけないし、通常の患者さんがたくさんいる」「救急患者さんもいまだから待ってくださいとは言えない」などと医療現場のひっ迫状況を強調。 新型コロナの感染拡大については「いままでのように東京を中心とする首都圏、大阪を中心とする近畿圏、福岡、北海道、沖縄という問題ではない。すでに全国的な広がりを見せている。従って、全国が災害に見舞われているという状況だと考えて、全国的な、なんらかの抑制措置を取らないといけないのではないかという考えも十分できる」と述べた。そして「その場合は、全国的な緊急事態宣言を出すとか」と緊急事態宣言を全国へ拡大するなどの措置が必要だと訴えた。 全国への適用ができない場合には、現在重症者が多い40代50代に対し、ワクチンの優先接種、テレワークなどにより人との接触を減らすことが大事だとも語った。 現在のコロナ対策については「いままで言っていたような政策はもう誰も言うことを聞いてくれない」と指摘。「去年の第1波の4月くらいの感じで、本当に人流を抑えられるようなことを(する必要がある)。いままでのコロナウイルスとは違う。新しいデルタ株のウイルスは違うタイプの恐いウイルスであるという認識のもとにもう一度仕切り直して政策展開をする必要がある」と述べた。