オーツミルクは体にいいの? 栄養士が長所と短所を教えてくれた
オーツミルクは牛乳よりもヘルシー?
「これは、同じ条件の比較ではありません」と説明するムーアさん。「オーツミルクはすべて同じように作られていません。食物繊維が残っているものもあれば、そうでないものもあります。砂糖や油が添加されているもの、ビタミンやミネラルが強化されているものもあれば、そうでないものもあります」さらにオーツミルクと牛乳は、とくにたんぱく質の面で栄養成分が異なります、と彼女は補足する。 1カップあたりのたんぱく質量 ・全乳:8g ・カイフィア・ファームズ・オーツミルク:3g ・オートリー:3g ・チョバーニ・オーツミルク:2g ・プラネット・オート:2g 「私は自然食品である牛乳もおすすめします」と語るカセッティさん。「普通の牛乳には1カップあたり8gのたんぱく質が含まれるうえ、プラントベースミルクよりも体はカルシウムやほかの栄養素を吸収しやすいのです」
ベストなオーツミルクの選び方
「どんなプラントベースミルクにも長所と短所があるので、乳化剤や砂糖が添加されていないものを選ぶのが一番です」とアドバイスするカセッティさん。意思決定に役立てるために、プラントベースミルクをどう使うかも含めて考えることが重要です、と彼女は話す。「たとえば、そのほかのたんぱく質を含むスムージーにプラントベースミルクを加える場合、液体のベースとして低カロリーのプラントベースミルクを選ぶのがいいかもしれません」彼女は、カロリーが一番低い傾向にある無糖アーモンドミルクを挙げている。 「いっぽう、とくにコーヒーに使う場合で、朝にそのほかのたんぱく質源を摂取しない場合、たんぱく質を含むミルクが役立つでしょう」と続けるカセッティさん。「朝食やそのほかの食事で20~30gのたんぱく質を摂ると、食後の満足感を維持し、筋肉の維持と成長を促進します」牛乳に近いたんぱく質量のプラントベースミルクを探しているなら、カセッティさんのおすすめは無糖豆乳またはピーミルク(えんどう豆ミルク)だそう。 「個人的な栄養ニーズを考慮しましょう」と提案するダンドレア゠ラサートさん。「骨の健康に十分なビタミンやミネラルを摂取したいなら、ビタミンD、A、B12、カルシウムが強化されたオーツミルクを探してください」乳化剤や増粘剤については、個人の選択だと彼女は話す。「消化器系が敏感な人は、オーツ麦と水、少量の塩だけを含むオーツミルクを選ぶといいでしょう」オーツミルクには胃腸の不調を引き起こす可能性がある乳化剤や増粘剤(グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、またはそのほかの増量剤)が含まれます、とダンドレア゠ラサートさんは説明。「とはいえ、これらの乳化剤は植物由来の食物繊維から作られているため、胃内容排出時間(食べ物や飲み物が胃を通過して排出されるまでの時間)を遅らせ、血糖値の安定に役立つ可能性が研究で示唆されています」さらにダンドレア゠ラサートさんによると、これらは満腹感を高めることから、体重管理に役立ち、コレステロールを下げる効果が期待できることも分かっているという。「乳化剤として使用されるプラントベースの食物繊維には賛否両論があります。これらを含む商品を摂取するかどうかは、個人とそれぞれの栄養ニーズによって変わってきます」 オーツミルクに含まれる添加糖分について、ダンドレア゠ラサートさんは次のような統計を示している。 ・「アメリカ人向けの食事ガイドライン」では、添加糖の摂取量は総カロリーの10%未満に抑えることを推奨している。これは、総カロリー摂取量が2,000kcalの食事の場合一日50g未満となる。 ・ただし世界保健機関は、理想的に添加糖はカロリーの5%未満、つまり一日あたり25g未満に抑えるべきだと提案している。 ダンドレア゠ラサートさんの結論は? 「ガイドラインを守るなら、砂糖が無添加のオートミルクを選ぶことがベストです」