触れた手に残る香りにうっとりと おすすめセンテッド・ゼラニウム3選!【私の植物偏愛記・8月号こぼれ話】
おなじみの講師の方々に、愛する植物を思う存分語っていただく連載「私の植物偏愛記」。『趣味の園芸』8月号では、幅広い草花に精通し、広く深い知識をもつ島田有紀子さんに、ベゴニアへの愛を語っていただきました。 もうひとつ、「語りたい植物」として挙げてくれたのはセンテッド・ゼラニウム。ウェブだけで読めるこの「こぼれ話」では、島田さんおすすめの3品種を紹介します!「普通のゼラニウムと何が違うの?」と思ったそこのあなた! このまま読み進めてください。 みんなのセンテッド・ゼラニウムの写真 * * * センテッド・ゼラニウムは、ゼラニウムやぺラルゴニウムと同じぺラルゴニウム属に属し、葉に芳香をもつグループを指します。一般に広く知られているゼラニウムとは異なり、花弁が細くて繊細で、野趣あふれる雰囲気が人気です。 注目してほしいのは、なんといっても葉の香り。ミントや柑橘類など、さまざまな香りの品種があります。植物園で管理を担当していたころ、センテッド・ゼラニウムを触ったあとは手を洗いたくなくなるくらいでした。おすすめの品種を3つ紹介します!
'レディー・スカボロウ'
葉はイチゴの香りで、花もかわいい品種。咲き始めは淡いピンク色で、咲き進むにつれて濃くなっていきます。株いっぱいに花が咲き、やさしい草姿と可憐な花色がよく調和します。 丈夫で栽培も容易です。茎が細く、草丈が高くなるので、倒れないように随時好みの位置で切り戻すとよいですよ。
デンティクラツム'パイン'
「パイン」とは、パイナップルではなく松のことです。香りが似ているだけでなく、葉がややネバネバしているのもまるで松脂のよう。黒い模様が入る葉も特徴です。開花に対する低温要求が少なく、他のセンテッド・ゼラニウムよりも早咲きです。こちらも栽培は簡単なのでぜひ!
オドラティッシムム
葉のなめらかな質感と、温かみのあるリンゴの香りが個性的。『赤毛のアン』にアップルセンテッド・ゼラニウムとして登場するのがこの植物です。ほふくして繁茂します。 比較的寒さに強く、暖地では戸外で冬越しも可能です。花は小さく白色で目立ちませんが、四季咲き性で絶え間なく咲いてくれます。生育旺盛なので、鉢栽培では1年に1回根鉢をくずして植え替えるとよいですよ。