「出会いに恵まれる人」がいつも即答している「たった3文字の言葉」とは?
● 「旅」はとにかく足を使い 体験を重ねていく (3)「旅」から学ぶ。 「旅」=「現場」と言い換えてもいいかもしれません。真実は現場の中にしかありません。机上で考えるだけではなく、足を使っていろいろな現場に出向き、体験を重ねることが重要です。 おいしいパン屋さんができたと聞いたら、行って、買って、食べて、はじめておいしさがわかります。アイデアは、「人・本・旅」で脳に刺激を与えることによって湧いてくるのです。 人間は、「人・本・旅」でしか勉強はできません。ところが、人間は怠け者で、いい加減な動物ですから、インプットの大切さは理解しつつも、なかなか行動できないのです。 ですから、「人・本・旅」での学びを個人に任せておくのではなく、学びやすい仕掛けを職場につくることが大切です。 ライフネット生命時代、僕は、社員向けの勉強会(任意)を定期開催していました(社員はこの勉強会のことを「出口塾」と呼んでいました)。定期的におもしろい人を呼んできて登壇してもらったり、読書会を開くなど、社員教育をしくみ化していたのです。
この出口塾は、社員に「人と本」での学びを与える機会でした。 「本」を読ませるしくみ。 出口塾で僕が指導をするときは、毎回課題図書を設定し、その本をもとにディスカッションを行っていました。 ● 88歳のタクシードライバーに 講演を依頼した 「人」に会わせるしくみ。 同質な人間ばかりの集団は、同じような経験、情報しか持っていないため、意外性がなく、アイデアが出にくくなります。 そこで、業種や職種を問わず、さまざまな経験を持つ人を社外講師としてお招きしていました。以前、僕がたまたま乗車したタクシーのドライバーの人に、ライフネット生命で講演をしていただいたこともありました。 その人は当時88歳。東京大空襲を経験されていて、タクシー会社の社長から、「空襲の記憶を若い世代に伝えてほしい。だから体が動く限り、1週間に3時間くらいでいいので、うちの会社で働いてほしい」と依頼されていたそうです。その人は、タクシー会社に新人が入るたびに戦時中の体験を語っていました。