「たまごっち」に〈平成女児〉が今またハマる5つの理由…Z世代にも波及する「再現性のあるバズ」の正体
ラブベリ、プリキュアも人気
「オシャレ魔女 ラブandベリー」関連でバズっているのは、「セガ ラッキーくじ オシャレ魔女 ラブ and ベリー」。オシャレ魔女 ラブ and ベリーで遊んでいた世代のインフルエンサーが実際に景品のTシャツを身に纏ってラブとベリーのようなコスプレをし、ゲーム内のダンスを踊ったり変身する様子を撮ったりした動画がバズり、同世代のユーザーからの「どこに売ってますか」「世代です」などのコメントが殺到している。 検索欄にも「ラブandベリー」と出ていることから、この動画を見た人たちが関連ワードで検索していることがわかる。 「ラブandベリー ラッキーくじ」とTikTokで検索してみると、くじを引いている様子や引き当てた景品を紹介する動画が数多くアップされていて、どの店舗も売り切れだったという動画まで上がっている。 また、景品の「オシャレまほうカードセット」は任天堂のゲーム『オシャレ魔女 ラブ and ベリー ~DSコレクション~』でスキャンして使えるようで、当時ゲームで遊んでいた人たちからの歓喜のコメントが寄せられている。 「プリキュア」でバズっているのは、カプセルトイの「なりきりプリキュアDX」。現在第6弾まで発売されているほどの人気ぶりで、長年続いているシリーズのファン層の厚さが伺える。 TikTokで「プリキュア ガチャガチャ」「なりきりプリキュアDX」と検索すると、ガチャガチャを回している動画や当たった商品を並べる動画がヒットする。再生数の多いものを覗くと、「懐かしい」「どこに売ってますか」「〇〇プリキュアが好きだった」などのコメントが寄せられていて、各々が自分の見ていたプリキュアを思い出して懐かしい気持ちになったり購買意欲を掻き立てられたりしていることがわかる。
「再現性のあるバズ」になったワケ
「オシャレ魔女 ラブandベリー」も「プリキュア」もかなりの人気を誇っているが、「たまごっち」のバズり方は群を抜いている。過去に発売されていたたまごっちを模したミニチュアチャームやリングなどのカプセルトイが発売されるたびに即完売を繰り返したり、たまごっちの一番くじが発売当日に売れすぎて入手困難になったりと、その人気ぶりには目を見張るものがある。 実際、筆者(Z世代/平成女児)の友人もたまごっちの最新機種「Tamagotchi Uni(たまごっち ユニ)」を自分自身への誕生日プレゼントとして購入していたり、カプセルトイの新作が出るたびに街中を探して回してみたりとこのたまごっちブームに乗っている。 また、Z世代女子がフォローしているインフルエンサーたちもたまごっちを購入し、お世話している様子をSNSにアップしていて、この人気はかなり広い範囲で影響を及ぼしていることがわかる。 なぜここまでたまごっちが「平成女児」たちの間でウケ、さらに他の世代にも波及しているのだろうか? 1 ターゲットの絞り込み×再現性のあるバズ *以下もナンバリング まず大きな理由の1つに挙げられるのが、このブームのターゲットが「比較的自由にお金を使える層」であるということだ。 たまごっちのメインターゲットは小学生だと思うが、たまごっち「ブーム」に限って見るとターゲットは子どもというよりも大人だと思われる。なぜなら、たまごっちは買い切りのおもちゃであるのに対して、たまごっち「ブーム」は買い切りのコンテンツではないからだ。 2000年前後にたまごっちで遊んでいた人たちは大学生~社会人になり、経済的に余裕のある状態になっている。お目当てのものが出るまでカプセルトイを回せたり、コラボ商品を何個も買えたり、一番くじを複数回引けたりするのはこの世代ではないだろうか。 ターゲットを絞って安定した消費行動を生み出すことで再現性のあるバズが生まれ、その結果認知度もアップして「平成女児」に限らず幅広い世代にウケて、トレンドの息が長くなっているのだと思われる。