「たまごっち」に〈平成女児〉が今またハマる5つの理由…Z世代にも波及する「再現性のあるバズ」の正体
「平成レトロ」の波に乗れた
2 コラボ 2つ目の理由として考えられるのは、たまごっちが様々な分野の商材・企業とコラボしているということだ。 ・たまごっち×チロルチョコ ・たまごっち×サンリオ ・たまごっち×Supreme ・たまごっち×食玩(「おかしなたまごボーロっち」「チョコサプ たまごっち」など) ・たまごっち×コスメ(「たまごっち チーク&リップ」「たまごっち マルチキャリーバーム」) ・たまごっち×Wpc. ・たまごっち×鬼滅の刃 ・たまごっち×タイニータン(BTSの公式キャラクター) など数多くの商材・企業とコラボし、その度にSNS上で話題になっている。ジャンルを限定しないことによって多様な趣味嗜好を持つ人たちの目に止まるようになり、トレンドの取りこぼしが起こらないような仕組みになっているのではないだろうか。 3 平成レトロ×エモ消費 3つ目の理由には、昨今の「平成レトロ」ブームに乗れたことと、それがZ世代の特徴である「エモ消費」に上手くマッチしたことが挙げられる。 2000年代にたまごっちをリアルタイムで楽しんでいた「平成女児」たちは当時を思い出して「エモい」感情になっているのに対し、10代後半の学生たちは自分たちが使っていたたまごっちよりも古い機種のたまごっちを見ることで「レトロ」でかわいい、「エモい」という感情になっている。 世代で感じているものは違えど、結果的に「エモい」という感情が動かされて購買行動に繋がっていることがわかる。
単なる「おもちゃ」として見ていない
4 ファッションアイテム化 4つ目の理由として考えられるのは、今このブームに乗っている人たちの多くがたまごっちを「おもちゃ」ではなく「ファッションアイテム」として捉えているということだ。 それはたまごっちを首からぶら下げたり手首に巻いたり複数個購入して並べたりしている様子を写真に収めてSNSにアップしていることから伺える。 企業側もこれを理解しているため、コスメや傘、一番くじ(バッグに付けられるカードホルダーやラバーチャーム)などとコラボしたり日常に溶け込みやすいウェアラブルな形状の機種を発売したりしているのではないだろうか。 また、「平成女児」たちが子どもだった頃は2000年前後で、ちょうど今トレンドになっているY2Kと年代が被るのもポイントになっている。 その頃に発売されていた、液晶がモノクロだった頃のたまごっちもY2Kファッションの一部として捉えられているのだ。実際にY2Kファッションとの相性も良く、トレンドに敏感なインフルエンサーたちが身につけている様子を見かけることがある。 単に「遊ぶ」だけのアイテムではなく、「SNSで映えるから」「ファッションとして取り入れたいから」などの付加価値が生まれたアイテムになったことにより、消費者の購買意欲を掻き立てているのだと推測できる。