「たまごっち」に〈平成女児〉が今またハマる5つの理由…Z世代にも波及する「再現性のあるバズ」の正体
1996年の発売後約2年半で4000万個以上が売れた「たまごっち」。時代に合わせてデザインや機能のアップデートを続けてきたが、いま再び注目を集めている。ブームを牽引するのは「平成女児」と呼ばれる主にアラサーの女性たち。彼女たちが懐かしいと思う商品・キャラクターはSNSでしばしばバズを巻き起こしているが、その中でもとくに「たまごっち」がウケた理由とは? また、Z世代にもブームが広がっている要因は? Z総研の道満綾香さんが5つの観点から解説する。 【写真】600万円かけて1400個の『たまごっち』を集めたマニアが語る、その魅力
バズの火付け役は「平成女児」たち
今、たまごっちが大ブームを巻き起こしている。 最近では、今年7月に発売されて即話題を呼んだ、たまごっち本体型のミニチュア容器に入った本格コスメ「たまごっち リップ&チーク」の第二弾「たまごっち マルチキャリーバーム」の発売がアナウンスされ、XやInstagramなどのSNSが盛り上がっている。 たまごっちといえば子どものおもちゃというイメージがある人も多いかもしれないが、実は今たまごっちに熱中しているのは「平成女児」と呼ばれる大人たちで、子どもではない。 「平成女児」とは、主に2000年前後に子どもだった女性たちのことを指す。 今の20~30代の人たちが子どもの頃に遊んでいたおもちゃや観ていたアニメ、使っていた文房具や流行っていたキャラクターの写真が「これ知ってる人は同世代」「今の小学生は知らない」などのキャプションとともにXやTikTokにアップされ、当時を覚えている世代が反応してバズっていく、という流れがここ数年で定期的に起こっている。 これがかなりバズるからか、企業がこのムーブメントに乗っかり、過去に流行ったキャラクターを使用した商品を販売したりイベントを開催したりしていて、SNSを飛び出してリアルでも懐かしいキャラクターを目にする機会が増えてきた。 最近では2000年代に女子学生を中心に人気を集めた『一期一会』シリーズのイラストとポエムがパッケージに描かれた「心友グミ」「青春ラムネ」「放課後ポテト」がクリートから発売されたり、「ぷるるんっ!しずくちゃん しずくの森のなかよしカフェ in Tree Village」や「オシャレ魔女 ラブ and ベリー展 ~オシャレ魔法ミュージアム~」が開催されたりと、「平成女児」たちが当時を思い出してノスタルジックな気持ちになる商品やイベントが生み出されている。 SNS上でバズっている「平成女児」関連の商品を購入/イベントを体験した人がその様子をSNSにアップしてその投稿がバズることで関連ワードの検索数が増え、大元の投稿も再びバズる、というサイクルができあがり、SNS上のバズだけに留まらず、実際に購買や体験まで持っていくことができているところがこのブームの特徴である。 そんな「平成女児」に関わるコンテンツの中でも特に反応がいいのが「オシャレ魔女 ラブandベリー」「プリキュア」「たまごっち」などのキャラクター。実際にどのようにバズっているのか少し解説していく。