ブライトリングの時計製造拠点「クロノメトリー」でキャリバーB19搭載コンプリケーションと感動の再会!【ブライトリング取材レポート】<3日目>
次に案内されたのは全パーツのクオリティチェックを行う部屋。ここで全品検査をしておかないと、5か月後ぐらい経って製造ラインに乗ったときに不具合を起こすといったリスクがあるため、なるべく早い段階で行う必要があるのだという。誤差の許容値は1000分の1mm単位で±3と超精密。次に案内された部屋では、ブライトリングのためにサプライヤーが特別に製造したパーツが用意されていた。それらを必要な数ぶんカウントするマシンもあるなど、微細パーツについても正確な管理が行われていた。これと同じぐらい小さいのが人工ルビーで片面はフラット、もう片面は曲面を持った注油面となる。石には大小様々なサイズがあり、品質管理を行いながらサイズを揃えて一つのプレートに仕分けていく。筆者は手作業での仕分けに挑戦したのだが、フラットな面を上にしながらプレートに置いていくのはかなり細かい作業で、正直これだけでも神経がすり減った。
100%クロノメーター化の拠点として2001年から続く建物へ移動
ここまでで取材は折り返し地点。次はいよいよマニュファクチュールキャリバー01の組み立てを行う建物へと進む。アクリルで固められた展開模型には、キャリバー01を構成する全346パーツが収まっており、これらを組み立てるのが今から訪れる場所ということで胸が高鳴る。
組み立てラインはメインプレートから始まり、ベルトコンベア式に組み立てが行われていく。「まるで日本のスシライン(注:回転寿司)みたいでしょう(笑)」(ファブリス氏)。段階的に必要なパーツをメインプレートに組み立てては、油を指し、チェックを行うという工程が長い製造ラインの中で繰り返される。なお、これはある程度の本数を作るブランドでは主流だが、クロノメトリーでは人の手をかけるパートが他社よりも多いように感じた。
このラインの最終工程はもちろん精度チェック。6姿勢での精度チェックを行い、COSC認定を受ける規準を満たす精度を確認。規準外のものは再調整となる。自らに課した難題「100%クロノメーター」の実現は、もはや製造ラインの一部に組み込むほどブライトリングにとって当たり前となっていたわけだ。この工程はきっと他社にとって驚異的に思えることだろう。
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