ブライトリングの時計製造拠点「クロノメトリー」でキャリバーB19搭載コンプリケーションと感動の再会!【ブライトリング取材レポート】<3日目>
インハウスウオッチの製造拠点にふさわしい場所として、時計作りの伝統が根付くラ・ショー・ド・フォンを選んだという理由や、現在はここに300名程度、グレンヘンにある本社には220名ほどの従業員がいることなどの説明を受ける。また、クロノメトリーはパーツを製造する建物とそれを組み立てる建物で構成されていることなども教えてもらった。そしていよいよ約1時間半でムーブメントの製造の過程を巡るツアーが始まる。
“ブライトリング・クロノメトリーツアー”はインハウスキャリバーのパーツ製造から開始
まずは2009年に増築された、パーツを製造する建物からスタート。ブライトリングジェットチームをモチーフにした等身大のフィギュアや、ル・コルビュジエが手がけたグランコンフォートソファ、ドイツ人アーティストが描いたペイントなどが置かれた吹き抜けのフロアからエレベーターに乗り込み、上階へ移動する。
最初に通されたのは、多くのマシンで埋め尽くされた、金属加工パート。これら地板などを加工するマシンはオイルを使わない最新鋭を揃え、24時間休むことなく稼働させているとのこと。真鍮製の板状パーツを極細のドリルを使って両面を削り出し、完了後はサンドブラスト仕上げを施す。さらにその上から酸化を防ぐための(おそらくロジウムの)ガルバニック加工を行うと、見慣れたシルバーのパーツとなるのだ。
加工精度のチェックにはレーザーマシンや最新のスキャンマシンによって100分の1mm単位で精密に管理。地板以外の板状パーツも同様のプロセスを経てここで作られていた。なお、摩耗や破損で使えなくなったドリルの刃は、廃棄せず製造元のDIXI社へ送り返すとのこと。刃1本の価格はおよそ100スイスフランで1本につき1週間程度で要交換というから、多くの機械をフル稼働させていれば、それだけで相当なランニングコストがかかっていることがわかる。
フロアを移動し、今度はパーツ洗浄の部門へ。ここでは化学薬品を使わないクリーニングを実施しており、代わりに水と自然由来の洗剤を用いるのだそう。そうしてパーツの汚れを落としたら乾燥機にかけ、水分由来の変質や劣化を防止。あとは組み立てを待つばかりとなる。驚いたのはマシンを使えない極小パーツの作業で、顕微鏡を覗きながら手作業で汚れを除去していくとのこと。「この仕事は技術も必要ですが、何より強靭な精神力が大切です。十分な光もとても重要なので自然光が射し込むこの部屋で、ときに風景を眺めて休めながら、彼女たちは作業に取り組んでいます」(ファブリス氏)
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